「LEXUS DESIGN AWARD 2015」
入賞者・入賞作品が決定

LEXUSが未来を担うクリエイターの創造力をサポートする「LEXUS DESIGN AWARD 2015」の入賞作品が発表された。今回は世界72カ国から1,171点の応募が寄せられ、昨年11月の東京での審査を経て、入賞12作品、さらにその中からプロトタイプ制作に取り組む4作品が選ばれた。

この4作品の受賞者は世界的クリエイターである、建築家・エンジニアのアーサー・ファン(Arthur Huang)氏、ゲームデザイナーのロビン・ハニキー(Robin Hunicke)氏、建築家・デザイナーのネリ・アンド・フー(Neri& Hu)氏、そしてデザイナーのマックス・ラム(Max Lamb)氏、以上4組のメンターから助言を受けながら、プロトタイプを制作。プロトタイプは今年4 月にイタリア・ミラノで開催されるミラノデザインウィーク2015 のLEXUS 会場にて、4 月13 日から19 日まで展示され、入賞者には、会場にて、自身の作品についてのプレゼンテーションを行う機会が提供される。そして、会場での最終審査を経て、4 作品の中からグランプリが決定する。

入賞12作品のうち、7作品は日本人または、日本人の含むグループによるもの。審査員の多くが海外からであり、応募書類もすべて英文での提出だったことを考えると、頼もしい結果だ。入賞作品だけを見ても、家具、照明装置、装身具、横断歩道、さらには素材の開発まで、“Senses”「五感」というテーマに対して表現形式は多様。同一コンペ内でこれだけジャンルが多岐にわたると、審査基準を設けるのが難しく、選考は大変だったはず。プロトタイプ制作に進むことになる作品を選び、今後メンターのひとりとしてアドバイスをしていくアーサー・ファン氏はこう語る。「確かに。家具と横断歩道のデザインでは優劣を決めることは難しいですからね。そこで私は、1つの感覚から別の感覚に変容する可能性という切り口で応募作品を見ていきました。例えば、光という視覚に頼ることの多いものを、触覚を伴う体験に変えるようなアイデアです」。

そんなファン氏が選んだのは、自らの羽ばたく動きで発電しながら光を発するモビール作品「Diomedeidae」。イタリア人2人と日本人からなるグループの作品だ。「テクノロジーとエネルギーを生み出す新しい方法として、最も興味深い作品の1つだと考えました。芸術的な手法を探求する一方で、異なるテクノロジーを用いたアプリケーションに多くの可能性を感じました」と作品の印象を語る。そのうえで、「こうしたアイデアを、今度は実機モデルにするためにはどうしたらいいのか。そこに私のようなメンターが関わる意味があります。私はエンジニアですからアイデアを具体化するために技術的に改善する点などを助言することになります。

4人のメンターが一つずつ選び、プロトタイプ制作へと進む作品

▲動物の能力を体験できる、デジタルデバイスを内包した仮面「ANIMAL MASKS」
受賞者 海老塚 啓太
メンター ネリ・アンド・フー

▲自らの羽ばたく動きで発電しながら光を発するモビール「Diomedeidae」
受賞者 中森 大樹、アドリアーノ アルファーロ(イタリア)、ガエターノ ミルコ ヴァティエロ(イタリア)
メンター アーサー・ファン

▲自然の天候に応じて変化する繊細な照明「LUZ」
受賞者 マリーナ メリャアド メンディエタ(スペイン)
メンター マックス・ラム

▲身に着けることで様々な感覚を高め、研ぎ澄ます衣装・装飾品「Sense-Wear」
受賞者 Caravan エマヌエル コルティ(イタリア)、イヴァン パラティ(イタリア)
メンター ロビン・ハニキー

プロトタイプを制作していくうえで今後、3人のインターナショナルなグループとどのようにコミュニケーションをとりながらアイデアをまとめ、精査していくのか。ファン氏本人にとってもチャレンジングなメンタリングセッションになることだろう。(文/長谷川香苗)

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