INTERVIEW | アート
2015.01.21 11:32
第14回は、アクシスビル2階に店舗を構えるラピアーツ。長年フレーミングの達人として活躍してこられた代表の藤本定昭さんにインタビューしました。
仕事を始められたきっかけを教えていただけますか。
19歳のとき、画材屋のアルバイト時代にアメリカの画材展に行くツアーがありました。当時1ドルが360円という時代。旅費を親に借金をして行きました。ニューヨークやロサンゼルスなどの画材屋をまわり、大きな刺激と夢を得て、帰国後には画材の道に進むことを決意していました。
アクシスとの出会いは?
30歳のとき、ラピスラズリがアクシスビルに出店することになり、そこで働かないかと誘われました。その前からアクシス設立のコンセプトを知っていたので、運命の出会いだと思いすぐその話に飛びつきました。当時、デザインビルをつくるというスタイルがほかにはなく、とても画期的だと感じていました。後にラピスラズリがアクシスビルから退店することになりましたが、縁があったアクシスビルで自らのフレーミング専門店としてラピアーツを立ち上げました。
お仕事でのこだわりを教えていただけますか。
フレーミングは、作品とフレームとマットの組み合わせによって全く違うものになります。ラピアーツで扱っているのは、オーダーフレームが主で、その数は2,000種類以上。ほとんどがイタリア、スペイン、ドイツ、フランスからの輸入品。マットは300色以上あります。これだけの種類を揃えている店舗はあまりありません。お客さまのご希望をお聞きしながら、こちらからもご提案させていただきます。今までお客さまがお持ちになった作品には、さまざまなものがあります。絵画、版画、刺繍、賞状。子供用のバイオリンやワインボトルなど、立体物をフレーミングすることも数多くあり、それはまた違う楽しさがあります。
ドイツのスパゲル社のフレームは日本で輸入しているのはラピアーツと他1社のみ。
フレームを仕入れる基準は?
クオリティと雰囲気を重視します。ラピアーツは、カラーと仕上がりが美しいヨーロッパのフレームを中心に仕入れをしていますが、フレーミングという仕事は感性が大事。われわれ自身の感性を常に研ぎ澄まし、流行を含めさまざまなことに感心を持つ心が大事だと思っています。
近くイベントはありますか?
2月18日から21日まで、アクシスビル地下1階のシンポジアで「SOMEWHAT OPTIMISTIC」というインドの都市ムンバイを被写体にした写真展が行われます。そのフレーミングをすべてラピアーツが行いますので、ぜひお越しください。
今後、店舗をどのように展開にしていきたいとお考えですか。
ロンドンにある1960年創業のジョン・ジョーンズという、額縁から修復、コンサルタント、プリンティングまで幅広く手がけているお店があります。夢のような話なのですが、そのジョン・ジョーンズの日本版で、額縁、修復、表装、展覧会の企画と運営、製作までを手がける総合店をつくりたいと考えています。本当に夢のような話ですが、夢は見つづけていきたいと思います。
お客様にメッセージをお願いします。
日本はフレーミングに関してまだ関心が低く、いろいろな場所で見かける作品がフレームと合っていないと感じます。フレーミングは、絵画や版画だけではなく、どんな形のものでもできます。初めての方は、鏡のオーダーフレームから始めるのも良いと思います。どんなものでも気に入ったものをお持ちいただければ、こちらからもご提案をさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
ラピアーツ
営業時間 11:00~19:00(日曜・祝日12:00〜19:00)
定休日 なし
連絡先 Tel. 03-3583-0861
この連載では、東京・六本木のアクシスビルのショップの皆さんにお店のコンセプトについて語っていただきます。前回までの記事はこちら。