新刊案内
竹原あき子 著『街角で見つけた、デザイン・シンキング』

『街角で見つけた、デザイン・シンキング』
竹原あき子 著(日経BP社 1,800円)

パリ・東京・台北……いつもの道は、素晴らしいアイデアに満ちている。東京とパリを拠点に活動してきた筆者が、「あっ、そうか! 」とひざを打つデザインや思わず笑顔がこぼれるデザイン、子供の目で見た優れたデザイン、安全・安心のデザイン、減災のデザインなど、街角で見つけた幅広いデザイン・シンキングの事例を写真とわかり文章で紹介。

「新しさ。新しさをねらう気持ち。新しさというのは、例の興奮性の毒物のひとつであって、最後にはどんな栄養物より必要になってくる……」。これは巻頭に掲載されているポール・ヴァレリーの言葉。単なる新奇さの追求ではなく、考え方と視点を変えることで、優れた解決方法を提示している事例の数々が並ぶ。

以下、目次より;

第1章 「あっ、そうか」のデザイン
クリスタルでアップルマーク
幻の名品、トリックス
スーパーの篭は手引き車
たかがゴム長。だがエレガンスへの招待
フランス風、ふとん圧縮袋
欲張り「招き猫」デザイン
マンガカフェ
365日24時間営業。座り読み歓迎
ファッション誌は双子
フランスの”ロボリューション”「 アイボ」から「ナオ」そして「ペッパー」

第2章 掟破りのパッケージデザイン
100%無添加パッケージ、山形「掟破り」
高麗茶碗のように
タブーに挑戦:男の化粧品
味なんかどうでもいい、フィギュアボトル
パッケージ買い、OGO
花の愛好家を育てるパッケージ

第3章 笑顔がこぼれる
メイド・イン・フランスの箸
休暇のデザイン:反シャッター商店街
分煙もお洒落に
着替える椅子
生ゴムを履いたサラダボウル
吸盤付き子供歯ブラシ
大人遊びのデザイン
男のお洒落:ミケランジェロ再発見
野菜の紙

第4章 公共デザインとユーモア
名所めぐりエイズ予防キャンペーン
笑う「進入禁止」のいたずらサイン
禁止のサイン:「芝生はお休み中」
安心のサイン:大きさが救う
おもてなしトイレは印象派
毛糸が紡ぐ社会貢献
ユーモアこそ

第5章 子供の目で
バービーが働く病院
回転椅子で遊ぶ
親子が同じ目線の展示
眼鏡なし、子供の3D展
親子で楽しむファッション展
親子で憧れるバゲーラ
幼児が噛んだソフィー
パリの青空スケート場

第6章 都市のエコサービス
樹になった鋳物の電柱
見せないパリのゴミ箱
最後の勇姿。パリの公衆電話
タバコの火を消す鉢
パリプラージュにサッコの孫
パリのバス停、ネットオアシス

第7章 サイクルシティー:システム
自転車専用の信号機
車を捨ててヴェリブに
セーヌに浮かぶヴェリブ修理船
赤いベレーのタクシー
駅前の3輪自転車
オレンジ色の3輪宅配車
郵便は手引き車で
自転車のまま列車通学

第8章 サイクルシティー:見守る
“スマイリー” の車椅子
お迎えはオレンジ色のカーゴ・バイクで
メイド・イン・デンマークの「ニホラ」
カクレンボの自転車
愛はペットバギーに
すべて新しくなくてもいい:籐の3輪車
ハンドバイクが消す障害

第9章 プレゼンのセンス
うつむいて上を見る。展示の魔術
自動めくり巨大本
手で見る名画
タブーを超える
グーグルアース地図の展示空間

第10章 ブランド力と権力のデザイン
ルイ・ヴィトンはただ今工事中
パリ警視庁のリクルート作戦
権力のデザイン:ミッテラン大統領
騎馬隊のエコパトロール
マリー・アントワネットと騙し絵
サムスン VS アップルデジタル戦争

第11章 安全・安心、そして超パノプチコン社会
人間用バーコード、超パノプチコン社会へ
” とおりゃんせ”でも鳥の声でもない
車椅子のまま乗り込むバス
音も主役のデザイン。地下鉄のナビーゴ
タリス、おもてなしのデザイン
片目35分のマスカラ
別れの携帯電話
緊急のピクトグラム
脱出のデザイン

第12章 減災のデザイン
天然100%のデザインはITが好き
“忘れるな” をデザイン
パリの長屋「エデン・ビオ」
住宅用省エネラベル
電流が見えるコード
レンタル自動車、オートリブ元年
パリの垂直庭園:秘密は3ミリ
メイド・イン・フランスのトヨタ
マンガの力:はだしのゲン
パリの減災公園