INTERVIEW | アート
2014.12.12 20:24
第13回は、今春アクシスビル3階にオープンした写真の総合スペース、イマコンセプトストア。長らく写真に携わってこられた店長の永井雅也さんにインタビューしました。
イマコンセプトストアのコンセプトを教えていただけますか。
日本の写真文化を発展させるため「IMA メディアプロジェクト」が「LIVING WITH PHOTOGRAPHY=写真と暮らす」をコンセプトに、雑誌『IMA』やウェブサイト『IMA ONLINE』を展開してきました。その第3弾として、この六本木に写真文化の起点となるスペースとしてイマコンセプトストアをオープンしました。こちらは写真ギャラリー、写真集の販売、カフェの3つのスペースに加えて、写真家やクリエイターなどとのコラボグッズの販売、著名人や企業によるトークイベントやセミナーも多数開催しています。アート写真を見る、読む、学ぶ、買う、飾るなどいろいろな写真の楽しみ方を身近にリアルに体験していただけます。
どのような視点で作品や写真集をセレクトしているのでしょうか。
『IMA』は海外の現代アート写真を紹介する雑誌として創刊されました。今まで日本ではあまり知られていない作家を中心に情報を発信しています。それに連動した展覧会をこのイマコンセプトストアで開催しています。海外のアーティストや日本人ユニットの「Nerhol(ネルホル)」など、今まで大きな展覧会を開催していなかった作家などを掘り起こし紹介しています。写真集については、通常の流通には乗らない、アーティスト個人で出版されたものなど、IMAマガジンのネットワークをフル活用し、他では見られない展覧会や写真集、グッズを取り揃えています。
今後の展覧会情報を教えていただけますか。
12月5日から来年の1月11日まで「The Paris Photo-Aperture Foundation Photo Book Awards Exhibition in Tokyo」を開催しています。2012年に設立された、写真への総合的理解や関心を高めるための賞が、毎年、世界最大の写真フェアであるパリフォトで発表されています。IMAギャラリーでは、そのパリフォトで2012年〜2014年の過去3年間にノミネートされた写真集95冊を一堂に展示します。これは世界でも初の試みです。日本での開催を皮切りに、今後世界各地へと巡回する予定です。
来年1月21日から29日までは「LUMIX MEETS TOKYO 2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS#2」を開催します。この展覧会は、日本人若手写真家の支援の一環として、パナソニックの協賛によってパリと東京の両都市で開催されるものです。2013年から2020年まで毎年実施する予定で、東京のオリンピックイヤーの頃に注目されるであろう若手写真家を発掘するプロジェクトです。その東京展をこのIMAギャラリーで開催します。
加納俊輔 © Shunsuke Kano/Courtesy of Maki Fine Arts
今、いちばんのおすすめの写真集は?
ソウル・ライター(SAUL LEITER)という写真家の『EARLY COLOR』です。出版社は、世界中にコレクターがいるほど美しい本をつくるシュタイデル社です。来年ドキュメンタリー映画が公開されるという話もあり、再評価されています。
『EARLY COLOR』(6,600円)
今後、新しい展開はありますか。
まずはイマコンセプトストアの役割として、写真を生活に根づかせるために、展覧会ごとに購入しやすい作品シリーズ「100エディション」という3万円〜5万円の写真を取り入れるようにしています。そのバリエーションを増やしていき、写真作品を購入する場所として確立させていきたいと考えています。写真を飾って生活を楽しんでいただきたい。また来年は、ウェブ通販をより充実させていきます。特に海外から自社刊行の写真集などの問合せが多いので、その販路拡大を目指していきます。各地で開催されている写真フェアなど、イマコンセプトストアとして、ポップアッブショップなどの出店も行っていく予定です。
水谷吉法「TOKYO PARROTS」
お客様にメッセージをお願いします。
このイマコンセプトストアは、若い方からご年配の方までが楽しめる空間になっています。IMAカフェもありますので、午後のひととき、美味しいコーヒーを飲みながらゆったりとした雰囲気の中で、ぜひ写真に触れてみてください。
イマコンセプトストア 営業時間 11:00~22:00
定休日 不定休
連絡先 Tel. 03-5572-7144
ホームページ http://imaconceptstore.jp/
この連載では、東京・六本木のアクシスビルのショップの皆さんにお店のコンセプトについて語っていただきます。前回までの記事はこちら。