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2014.11.17 13:16
2007年にロンドンで創刊した『モノクル』は、世界を飛び回るビジネスパーソンに向けて、暮らしに必要な情報すべてを1冊にぎゅっと凝縮して届けている。国際情勢、政治、経済からファッション、旅、アート、デザイン、さらには世界各地の不動産まで、モノクル独自の視点で取り上げてきた。そんなモノクルの東京オフィスが10月15日、渋谷区富ヶ谷にオープンした。
▲ モノクルショップ内には明るいイエローのUSMのカウンター、ヴィツゥ(Vitsoe)の棚、そしてヴィンテージ家具を配置
特徴は、雑誌編集部と物販を行うモノクルショップ、ラジオ用の放送スタジオが一緒にあること。間取りは、道路に面したモノクルショップから奥の編集部を覗きうかがえるようになっている。
モノクル誌の発行人兼編集長のタイラー・ブリュレは、創刊時からモノクルをブランドと捉え、雑誌は印刷メディアとしての1つのかたちと考えていた。その雑誌の世界観を立体的なメディアとして現したのがモノクルショップということになる。
ここではモノクルオリジナルのメンズウェア、ステーショナリーをはじめ、他のブランドとコラボレーションしたコム デ ギャルソンのフレグランスに、ポーターとのバッグ、ブルックリンのレザーグッズなどを揃える。
編集部からショップの様子をうかがえるようにしたのはモノクル誌の読者、あるいは潜在的読者がどのような人たちなのか知るうえで有用だからだ。すでに4つの都市にあるモノクルショップでは編集者自らショップに立ち、顧客対応にあたることもあるという。
▲ 広さ86平方メートルのオフィスは、モノクル編集部とタイラー・ブリュレが経営するブランディング会社ウィンクリエイティブの日本オフィスがスペースを共有
▲ ミーティングルームには、マルニ木工のアームチェアに、ミケーレ・デ・ルッキのデザインによるアルテミデのデスクランプ
また、ブリュレはかねてより放送メディアも持ちたいと話していた。移り変わりの早い世界情勢のなか、月刊誌では拾い切れないことをラジオというフットワークの良いメディアを通して伝えたいという思いがあったからだろう。だからこそ、24時間放送にこだわった。
こうして東京に編集部とショップを統合したスペースがオープンしたことに、「すべてを1つの屋根の下に置くことでモノクルというブランドをトータルに打ち出せることになります。また、利便性が良く、リテールという観点からも成長している点で、富ヶ谷は理想的な地域だと感じています」とコメントしている。
平面の紙媒体から3次元のショップ空間、さらに動き続ける世界を捉える放送局へと広がるモノクルというブランド。ビジネスマンとしてのタイラー・ブリュレからさまざまなヒントをもらえそうだ。(文・写真/長谷川香苗)