「LEXUS DESIGN AWARD 2015」作品募集中

未来の社会を担う若い才能を見出し、次世代のデザイナーを育てていくためにLEXUSが開催する国際的なデザインコンペティション「LEXUS DESIGN AWARD」。入賞12作品を選び、その中から特に秀でたアイデアにはメンターと呼ばれるプロのデザイナーによるマンツーマンの指導の下、プロトタイプ制作の機会が与えられる。さらに、その成果は翌年のミラノで、世界中からデザイン関係者が集まるデザインウィーク期間中に展示されるという副賞がつく。

▲ミラノデザインウイーク2014での展示

これまでの入賞者の中には生まれて初めてコンペティションに応募したという大学生もいる。チャレンジしてみたい、と応募する理由の1つは、海外法人も含めてLEXUSが全社を挙げて主催しているというところにあるだろう。そしてプロトタイプの制作費を250万円までサポートすること。さらに第一線で活躍するデザイナーによるマンツーマンのアドバイスを受けられること。こうした魅力もあって、開催から2回を経て、すでにアワードの注目度は高い。2回目となった昨年は“Curiosity”「好奇心」をテーマに、世界中から1000件以上の応募があった。プロトタイプ制作に選ばれたのは当時24歳の英国のデザイナー、ジェイムズ・フォックスとドイツのデザイナーセバスチャン・シェラ。

フォックスの応募案は隠れ家をつくるためのパーツ「Macian」だった。「Macian」とは「つくる」という意味の古語の英語。拾ってきた板や枝、棒を組み立てて固定するコネクターだ。ドライバーなどの工具は一切必要とせず、子供でも組み立て可能という「Macian」はプロダクトではない。Curiosityを刺激し、使い手が何かを作りたくなるように促すツールというアイデアが高く評価された。それでもアイデアを実際の形にするうえで、メンターの存在が大きかったという。フォックスのメンターとなったアーサー・ファンは建築家でありプロのエンジニア。「ファンは僕のドローイングを分析し、パーツに必要な構造上の強度、荷重の計算についても精査してくれました」とフォックスはいう。

▲昨年の入賞作品の1つ「Macian」のプロトタイプ

▲受賞者のジェイムズ・フォックス(左)とメンターのアーサー・ファン(右)

こうした第一線で活躍するクリエイターからマンツーマンで指導を受けることは、フリーランスや若いデザイナーにとって何ものにも代えがたい勉強になるだろう。たとえ受賞に至らなくても、まず審査員に自分の活動を見てもらうだけで、コンペティションに応募する意義は大きい。審査員は伊東豊雄をはじめ、ニューヨーク近代美術館のパオラ・アントネッリ、「designboom」編集長バーギット・ローマン、ニューヨーク・タイムズの評論家アリス・ローソーン、香港の視覚文化博物館のキュレーター アリック・チェン、レクサス・インターナショナルのプレジデント福市得雄といった面々。自分の作品がこうした各界のプロフェショナルでありオピニオンリーダーたちの目に触れることはめったにないだろう。

3回目となるLEXUS DESIGN AWARD の応募は8月11日から始まっている。今年のテーマは“Senses”「五感」。多くの人が生まれ持つ感覚を改めて捉え直し、そこに新たな気づきと可能性を見出すこと。入賞12作品を選び、その中から4作品にはプロトタイプ制作のためにメンターとのセッションおよび制作資金が提供される。感覚を広げてくれるアイデアを期待したい。(文/長谷川香苗)

「LEXUS DESIGN AWARD 2015」
募集期間:2014年8月11日(月)〜2014年11月3日(月)
テーマ:Senses(五感)
審査基準:LEXUSの考える“DESIGN”に対する、深い理解とその解釈の独自性
     課題に対する着眼点とソリューションの独創性
審査員:パオラ・アントネッリ(Paola Antonelli)、アリック・チェン ( Aric Chen )、伊東豊雄(Toyo Ito)、パーギット・ローマン (Birgit Lohmann)、アリス・ローソーン(Alice Rawsthorn) 、福市得雄(Tokuo Fukuichi)
メンター:アーサー・ファン(Arthur Huang)、ロビン・ハニキー (Robin Hunicke)、ネリ・アンド・フー(Neri & Hu)、マックス・ラム(Max Lamb)
賞典:
・入賞作品12作品のクリエイターをミラノデザインウィーク2015に招待 ※
・その内4作品には、受賞作のプロトタイプ制作費として最大250万円を支援し、担当メンターとのセッションを通じて、2015年1月〜3月の間で、受賞作のプロトタイプを制作
・2015年4月にミラノデザインウィークのレクサスブースにて4作品のプロトタイプ、並びに入賞8作品のパネルを展示
・プロトタイプを制作する4作品のクリエイターは、ミラノデザインウィーク2015において、プレゼンテーションを行い、最終的にグランプリ1作品を決定

※個人・グループ応募に関わらず1名を招待

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