NEWS | デザイン誌「AXIS」
2014.06.30 12:07
カバーインタビュー マライエ・フォーゲルサング
マライエ・フォーゲルサングは過去15年にわたって食にまつわるデザインに携わってきたパイオニアだ。自らを「フードデザイナー」ではなく「イーティングデザイナー」と称し、「五感」「化学」「文化」「技術」「自然」「心理学」「社会」の7つのキーワードをもとに食のデザイン領域を開拓し続ける彼女に、その哲学とこれからの展望について聞いた。
特集 ニュークラフティ—新たなクラフトへのアプローチ
暮らしへの寄与や手工芸技術の普及・振興などを目的に独自の発展を遂げてきたクラフトもまた、時代の要請や環境の変化によりそのイメージや用途を大きく変えつつある。精緻な技と独創的なクリエイションとの調和、デジタル時代の生活感覚を踏まえた先端テクノロジーとの融合、素材や加工における新たな相互作用など、これまでのクラフトの概念や枠組みを押し広げるアプローチは、実に多彩だ。
ここでは、未来のクラフトのあり方を追求する姿勢や創造性を「ニュークラフティ」と呼び、さまざまな発想やジャンルとの融合を見せる“進化するクラフト”の姿を追う。
匠のかたち 畳
畳は、日本の気候と暮らしの中で育まれた、日本固有の文化である。平安時代、貴族は厚畳を座具や寝台にし、桃山時代には茶道の発達と相まって、畳はなくてはならない存在となった。材料であると藁を重ねる(畳む)ことから、畳と呼ばれるようになったとされる。ピンと張った型崩れのしない畳をつくるには手縫いの工程が不可欠だが、機械化は進み、伝統技術の継承は危ぶまれている。そんななか、昔ながらの畳をつくり続ける、京都・数寄屋の畳師を訪ねた。
オピニオン 瀧澤武信(コンピュータ将棋協会会長、早稲田大学教授)
将棋のプロ棋士とコンピュータ将棋プログラムが対戦する電王戦。今年の3月から4月にかけて開催された第3回では、プロ棋士の1勝4敗という結果に終わった。ついにコンピュータが人間を超えたという声が上がるなか、今後のコンピュータ将棋プログラムの展望について、コンピュータ将棋協会会長の瀧澤武信氏に話を聞いた。
トピックス インゴ・マウラー—火の温もりが宿るハイテクな光を
精力的な活動を続ける照明デザイナーであり、自身の名前を冠した照明ブランドの経営者でもある、インゴ・マウラー。彼がミラノで初めてのイベントを行ってから、すでに20年以上が経ち、今や新しい照明テクノロジーの大きな波が押し寄せている。画一的な現在の照明産業を批判しつつ、果敢に新技術に挑戦し続ける彼のフィロソフィー、皮肉にユーモアを添えて発表された新作や、照明の現在と未来についてインタビューした。
トピックス 京都工芸繊維大学がデザインで起こす国際化—KYOTO Design Labが始動
京都工芸繊維大学は2014年3月に新組織KYOTO Design Labをスタートさせ、海外の研究者招致を軸とする大胆なグローバル化に挑む。他大学のグローバル・イノベーション戦略と一線を画するのは、デザインを中心に据えていることに加え、京都という魅力的な地域のリソースをプログラムに取り込めることだ。建築・デザインの両分野に多数の優秀な人材を送り出してきた伝統ある同校が、どう変わろうとしているのか。今後の戦略や陣容を取材した。
トピックス さまざまな“もの”とつながる“光”ーフィリップス「hue」が描く世界
2012年末にオランダのフィリップスが市場投入したホームユース向けのLED照明「hue(ヒュー)」。Wi-Fi環境化でスマートフォンやタブレット端末から明かりをコントロールできること、1,600万色以上という多彩な光を実現することなどから、これまでにない照明システムとして注目されている。しかし、hueの持つ意味はそれほど単純ではないようだ。エコシステムを構築することで開発者を社外に募り、暮らしと光をより密接につなげようとしている。
その他連載
ザ・プロトタイプ PLAY IGO「TIMES」
まばたきの記憶 「りんごの天体観測」 文・スケッチ/鈴木康広
廣村正彰のJunglin’ 「見る字と読む字」
本づくし・書評 堀切和久/松本博子/深澤直人
産学連携の正しいやり方 首都大学東京とミサワホーム総合研究所
フロム・ザ・ワールド アンデルスブーフ/アムステルダム/ロンドン/東京
クリエイターズワーク&ソウル ジョン・マーシャル/八木啓太 ほか
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