新刊案内
藤原敬介 著
『インテリアデザインーー美しさを呼び覚ます思考と試行』

『インテリアデザインーー美しさを呼び覚ます思考と試行』
藤原敬介 著(丸善出版 1,900円+税)

昨年末から今春にかけて、藤原敬介の2冊の本が刊行された。1つは、藤原の師である内田 繁が帯を飾り、これまでの28に上るプロジェクトについて自ら綴った『インテリアデザインーー美しさを呼び覚ます思考と試行』。もう1冊は、オランダのフレーム社から刊行された作品集である。

PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKEの日本・フランス・中国・韓国・台湾・タイのショップデザインや、刈谷ハイウェイオアシス、銀座マロニエゲートの空間デザインといった数々のプロジェクトについて、またミラノ国際家具見本市「サローネサテリテ」出展時のことなど、これまでの仕事を振り返り、ときにはバックグランドも含めながら、どのように対峙したのか、また、どのように感じ考えたのかを綴っている。

内田 繁が帯に記した言葉は、「藤原敬介の仕事に感じられることは、デザインに対する真摯な姿勢と『デザインとは何か…』を常に考えている態度である」。その言葉のとおり、全編に貫かれる真っ直ぐに考え続ける様が印象深い。

四六判、ソフトカバー、168ページ、以下目次より。

第一章 曖昧であること
不明瞭な境界線/流動性/かすかな色彩/見慣れないもの/おぼろげなかたち/手の痕跡/水と光

第二章 呼び覚ました姿
伝統の裏側/道ゆく人々に向けて/街歩きの魅力/地のもつ余韻/埋もれた軸/新たな命を吹き込む/物語に秘められたもの

第三章 変化のかたち
相反の共存/記号化/思考と試行/記憶を継承する/凝縮する/緩やかな継続/再編集

第四章 可能性の追求
単一素材/成り立ちを知る/ありかた/制約と飛躍/逆算からの造形/数/街への発信


『Keisuke Fujiwara: Interior Elements for Space and Product Design』
Keisuke Fujiwara 著/Riyo Namigata 訳(Frame Publishers 5,009円)

もう1冊は、フレーム社から刊行された作品集。エッセイ集に沿うように、4つのカテゴリーに分けて各プロジェクトを掲載する。内田 繁とロン・アラッドの寄稿も収録。ハードカバー、256ページ。