REPORT | アート
2013.11.12 11:00
イタリア・ヴェネツィアに暮らすアーティスト、三嶋りつ惠さんの展覧会が、東京・清澄白河のシュウゴアーツで開かれている。
▲ LAGUNA, 2013, glass, 60×178×8cm
今回の展覧会では、今夏、ヴェネチア・ビエンナーレの関連企画としてパラッツォ・グリマーニ国立美術館で開催された三嶋さんの個展の余韻に浸れるような工夫がなされている。
▲ FONTE, 2012, glass, H60×W31cm
1989年、ヴェネツィアに移住し、96年よりムラーノ島のガラス工房に通いながらガラス職人とともに作品をつくり出す三嶋りつ惠さん。ヴェネツィアでは色ガラスが多くみられるなか、透明なガラス作品にこだわるのは、「風景に溶け込み、光を通して輪郭だけを浮かび上がらせることができるから」だと言う。そんな彼女の作品は型ではなく、宙でガラス玉に息を吹き込んで膨らませていく宙吹き製法。職人が吹き込んだ息が、そのままガラスの形になったようで、人の身体の延長のように思えてしまう。
そして、流れる水が固まる瞬間を捉えたようなダイナミックな造形。海外のガラス専門家が、ガラスのことを「Super Cool Liquid(超低温液体)」というのも、三嶋さんのガラスを見ると頷ける。
また、清澄ならではの趣向を凝らした企画も。今週木曜日(14日)には、ギャラリーから徒歩5分ほどの清澄庭園内の涼亭にも、三嶋さんの作品が展示され、太陽光のもとヴェネチアン・ガラスを楽しめる。(文・写真/長谷川香苗)
▲ 清澄庭園での催しは、三嶋さんが京都から汲んできた水でお茶を出してくれるので、話を聞きに行くチャンス。
▲ 「水の光のうえで」と題した清澄庭園での展示は、12:00〜16:00まで。
会 期 10月24日(木)〜11月16日(土)
12:00〜19:00
*日、月、祝日は休廊
会 場 シュウゴアーツ