「グラフィティ・リング by 建築家・中山英之」がニーシング東京でスタート
お見逃しなく!

今年9月、同じ東京・青山の骨董通り沿いに増床するかたちで移転オープンした「ニーシング東京」で、建築家の中山英之氏とのコラボレーションイベントがスタートしました。

ドイツの宝飾ブランド「ニーシング」(1873年創業)といえば、バウハウスの影響を受けたシンプルなデザインが特徴。輪のわずかな隙間に、リングのテンションのみでブリリアントカットされたダイヤを挟む独自構造の「ザ・ニーシングリング」は、その現代的な表情とともに、同ブランドの代名詞として広く知られています。

▲今回のイベントでは、「グラフィティ」を用いたオリジナル作品以外に、建築模型にニーシングのジュエリーを組み合わせた3点のインスタレーションも展示されています。こちらの作品はその1つ、「小さすぎるビル」。

こうした斬新なデザインを支えるのが、同社の“マイスター”と呼ばれる職人たちが繰り出す高い技術力です。人の手を介した複雑な工程や作業の集積は、繊細で精緻なデザインにいっそう磨きをかけると同時に、製品に温もりを与える効果をもたらします。今回のコラボレーションは、そうしたものづくりのプロセスやデザインに対するアプローチに互いが共鳴することで実現したといいます。

コラボレーションに際して中山氏が題材に選んだのは、リングの表面に自由にデザインをアレンジすることができる「グラフィティ」です。森と水を想起させる2種類のスケッチを中山氏が描き下ろし、その軽やかな線の筆致をそのままリングにトレースするたちで、緻密ながらも壮大な風景をイメージさせる独特な世界観をリング上に表現します。

▲「メタルの木」( 写真右)と「リングのリング」と名づけられた2種のグラフィティ・リングには、それぞれ森と水をイメージさせるドローイングが描かれます。

作品について中山氏は次のようにコメントしています。「指の上でまわすと森の奥行きが変わり、泡の密度が変化し、小さなリングのなかにスケールレスな風景が広がります」。小さなリングに展開する風景はどこか抽象的ですが、そのどこまでも続くような空間的広がりに、中山氏の建築作品と同じ“匂い”が感じられるのではないでしょうか。

▲建築模型を用いたインスタレーション作品から、「K湖のN荘」と「草原の大きな扉」(写真右)。

中山氏の著書『中山英之/スケッチング』に記された「ちょっとだけ線を書き足すと、見えていなかった空間の広がりが見えてきたり、見えていたはずの空間のかたちが変化したりする」という言葉を改めて実感させられるイベントの会期は11月10日(日)まで。11月2日(土)の夜には、中山氏と今回のプロジェクトでディレクターを務めた岡田栄造氏を招いてのトークショーも予定されています。こちらは先着30名限定、ウェブサイトからの事前申し込み制ですので、興味のある方はお早めに!

▲中山英之氏(写真右)とプロジェクトディレクターを務めた岡田栄造氏。ふたりが登壇するトークショーは11月2日(土)の19時より開催されます。

グラフィティ・リング by 建築家・中山英之
会期:2013年10月24日(木)~11月10日(日)
会場ニーシング東京(東京都港区南青山5-9-9 サンク青山1階)
営業時間:11:00~19:30 水曜定休
問い合わせ:tel. 03-3499-1868