AXIS 165号は8月31日発売です。

カバーインタビュー ジョルジェット・ジウジアーロ
数々の名車のデザインを手がけてきた伝説的カーデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロ氏。氏が会長を務めるイタルデザイン・ジウジアーロがフォルクスワーゲン・グループからの資本参加を受けてから3年が経過した。この8月で75歳となったジウジアーロ氏に、自社の近況からカーデザインとクルマの今後、さらには若者のクルマ離れまで大いに語ってもらった。そこから感じられたのは、“現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ”の心が、クルマの次に来たるべき未来にも向かっていることだった。

特集 21世紀型産学共同のプロトタイプ
本誌連載「産学共同の正しいやり方」を通して見えてくる産学の目的とは、企業側からすれば、「人材の発掘・育成」「自社の認知度アップ」「社内デザイナーや企画部門への刺激」「新製品開発につながるアイデアやコンセプトの発見」が主だ。これらの要請に応えるべく、学校側も高いクオリティを出せる体制でのぞんでいる。学校側の目的としてまず挙がるのが「学生に現場を経験させる」ということで、授業の一環としての産学という点では、成功を収めているものが多い。しかし、それらの事例を見ていて、もっと凄いこと、もっと面白いことができるのではないかと感じるのも事実。

そこで本特集では、今後の産学のあり方のヒントとすべく、従来のやり方や目的を超えて、体制づくりからテーマ設定、プロセスにおいて、より革新的な取り組みを行おうとしている事例を紹介したい。“産”がテーマを出して、“学”が回答するというだけではない、新しいかたち、いわば21世紀型の産学を探る。

慶應義塾大学環境情報学部/デザインアカデミー・アイントホーフェンとオランダ検察局/スイス連邦工科大学ローザンヌ校のEPFL+ECALラボ/アアルト大学、ノキア、マイクロソフトの「Appキャンパス」/インテル/アッシュコンセプト 名児耶秀美氏インタビュー/グリーンワークショップ・ヴェントラント/RCAサービスデザイン学科 ほか

匠のかたち 江戸簾
木漏れ日のような淡い光と、心地良い風を室内に通す。窓辺で簾がそよぐ風景を目にすると、日本の住まいがいかに空間を隔てる「仕切り」を上手に活用しているかを感じる。襖、障子、衝立、屏風、、そして簾。移動や取り外しが可能で、季節や状況に応じて簡単に取り付けることもできる。視線を遮りつつ光はほのかに伝えて、空間に風情ある趣をもたらす。きわめて機能的であり、現代にも活用すべき伝統といえる。

簾のハイシーズンとなる盛夏を目前に、注文で忙しい東京・台東区千束にある田中製簾所を訪ねた。工房には、カンカンとリズミカルな「投げ玉」の音が鳴り響いていた。

オピニオン ユディット・ヴァーリヘイ(ハンガリーデザインカウンシル ディレクター、多摩美術大学客員教授)
「歴史や文化とのつながり、そしてカタチよりもスピリット」
1990年の初来日以来、東京に長く暮らし、ハンガリーデザインカウンシルのディレクターも務めてきたユディット・ヴァーリヘイ氏。ハンガリーのデザイン振興に努めるなかで、他の東ヨーロッパ諸国および世界各国との緊密なデザインネットワークを築いてきた氏に東ヨーロッパのデザイン事情を中心に話を聞いた。

トピックス カレル・マルテンスとの対話
今年5月にギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で日本初の個展「KM カレル・マルテンス」を行ったオランダのデザイナー、カレル・マルテンス。シンプルな形とカラフルな色彩が印象的な「モノタイププリント」シリーズは、彼が日常生活の中で収集した工作用の定規やレゴブロックといった“ファウンド・オブジェ”を版として転用し、数字や文字の形に印刷したものだ。そんな実験的な作品制作を半世紀以上実践し、74歳を迎えた今も世界のデザイン界に強い影響を与えている氏に、『オランダのデザイン』の著者である木戸昌史が、その背景となる思想にも踏み込み、モダニスト的な方法論から印刷に対する根源的な考えまでを聞いた。

トピックス  醤の郷 + 坂手港プロジェクト 観光から関係へ—芸術祭を起点に始まる、地域とデザイナーの持続的な関わり方
春、夏、秋と長いスパンで開催される2013年の瀬戸内国際芸術祭。小豆島を舞台とする「醤の郷+坂手港プロジェクト 観光から関係へ」では、多彩なクリエイターが集い、地域との持続的な関係を育もうとしている。

トピックス ダッソー・システムズ—3D映像が映し出す舞台表現の未来
舞台セットを3D映像で投影する。そんなバレエが完成し、来年3月の一般公演に先駆けて一足早くパリで報道関係者に公開された。飛行機や自動車などの設計段階で3D映像によってプロトタイプをつくる前のシミュレーションを行うなど、産業分野での利用が進む3Dソフトウェア。その技術が舞台芸術にどんな可能性をもたらすのだろうか。ダッソー・システムズの新たな取り組みを紹介する。

その他トピックス
デザイン・アンバサダー・プロジェクト―シャシ・カーン氏インタビュー
D&ADアワード 2013

その他連載
ザ・プロトタイプ ヤマハ「リフレイム」
まばたきの記憶 「インターフェースとしての紙」 文・スケッチ・写真/鈴木康広
廣村正彰のJunglin 「パンの耳とデザインの耳」
東京土木LIFE 最終回「テンポラリータウン・SHIBUYA」
本づくし・書評  鈴野浩一/伊藤義人/安積朋子
クリエイターズワーク&ソウル 熊谷彰博/H&Pアーキテクツ ほか

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