NEWS | デザイン誌「AXIS」
2013.06.30 17:44
カバーインタビュー 佐藤オオキ(nendo)
「子供が自在に粘土をこねて造形するように、自由かつ柔軟な発想でデザインしたい」。そんな思いを社名に込めてスタートしたnendoの仕事が、内外からいっそう注目を集めている。常時200を超えるプロジェクトを抱え、代表の佐藤オオキは毎月地球を1周するペースで世界を駆け回る。あえて固定化したスタイルや代表作を持たず、あらゆる分野を縦横無尽に疾走し続ける彼らの姿からは、しなやかな発想を武器とした従来とは異なるデザイナー像が浮かび上がってくる。
特集 新興インテリアメーカーのデザインマニフェスト
老舗と呼ばれるメーカーが存在感を示し続けるインテリア業界にあって、従来にない発想やコンセプトでもってブランドを立ち上げ、革新を生み出そうとする取り組みが目立ち始めている。家具を単なる「モノ」ではなく、暮らしをかたちづくる「ライフスタイル商品」と捉えた提案の数々、加えて、新興メーカーらしいベンチャースピリットが、成熟産業と思われてきた分野に刺激をもたらし、需要の開拓を後押しする。デザインや素材、既存製品の改良といった技術志向のものづくりに行き詰まり感が漂うなか、新興インテリアメーカーの戦略から新たな活路を見出すヒントを探る。
匠のかたち 鬼瓦
鬼の形相とは恐ろしい顔つきをいうが、こと鬼瓦の鬼面に関しては恐ろしさばかりではない。雄々しさの中にも個性があり、見る角度によってその表情は変化する。鬼瓦は、和式建築の瓦葺き屋根の端に用いる「飾り瓦」(道具瓦)の1つで、威風堂々とした鬼面が代表とされるが、雲や浪、動植物をモチーフにしたものなど、大きさや文様はさまざまである。傾斜した屋根面が接し稜線となる棟は、漏水避けのため半円筒状にし、先端を鬼瓦で閉塞することから「棟端瓦」とも呼ばれる。瓦の生産量の6割を担う三州で、手作業の鬼瓦にこだわる工房を訪ねた
オピニオン 青柳正規(国立西洋美術館館長、国立デザイン美術館をつくる会発起人)
「世界における日本デザインの存在感を示す。その触媒となるのが国立デザイン美術館なのです。」
2012年9月にデザイナーの三宅一生、国立西洋美術館館長の青柳正規の2氏を発起人として設立された「国立デザイン美術館をつくる会」。日本におけるデザインの重要性を広く伝えるとともに、国立デザイン美術館設立の機運を高めようと活動を開始した。従来からも、さまざまな人々や団体がデザインミュージアムの必要性を訴えてきたが、今回は「国立」という名のもと、日本の未来の創造力を確かなものにしようと謳う。青柳正規氏を国立西洋美術館に訪ねた。
トピックス 「Bugaboo(バガブー)」、移動における新たな経験価値の創造
イノベーションとは縁遠いと思われてきたベビーカーの分野に、抜群の安定性と高い機能性で革新をもたらし、支持を広げているブランドがある。「モビリティカンパニー」を標榜するオランダのブランド「Bugaboo(バガブー)」だ。1996年にわずかふたりでスタートした会社は、現在約1,000名の従業員を抱え、世界50カ国以上で製品を展開する。成長を続けるブランドの原動力と今後の展開について共同創設者のマックス・バレンブルグを中心に話を聞いた。
トピックス 「ワールド・デザイン・キャピタル・ヘルシンキ2012」 を終えて
昨年1年間にわたって「ワールド・デザイン・キャピタル」(以下、WDC)が開かれたヘルシンキ。「オープン・ヘルシンキーデザインのある生活」をテーマに、社会の仕組みをデザインの力で変えようと、公共機関や教育現場におけるサービスの改善を試みたという。2013年3月に最終報告書を発表したばかりのヘルシンキを訪ね、活動の成果を取材した。
トピックス MITメディアラボ 人工物と生物の統合を目指す2つのグループ
メディアラボの研究内容は、いつも固定されているわけではない。その時々に出現するテクノロジーや社会の要請によって、研究内容は常に刷新されている。そうした環境下で、新たに加わった2つの研究グループを紹介したい。
その他トピックス
「ヒュンダイ・マイ・ベイビー」プロジェクト
デザイン・アンバサダー・プロジェクト—ブランドン・ギエン氏インタビュ−
2時間で「ゴミ」への問いから「カタチ」を生む体験—Collective Dailogue
その他連載
ザ・プロトタイプ ソニーコンピュータサイエンス研究所+レゴグループ「ブリックアライブ」
まばたきの記憶「チョコレートの頂き、富士山の残像」 文・スケッチ・写真/鈴木康広
廣村正彰のJunglin 「高級品と社会的秩序」
東京土木LIFE 「お花見と武士道精神」
本づくし・書評 鹿野 護/橋田規子/深澤直人
産学共同の正しいやり方 「東海大学とアトムリンテック」
クリエイターズワーク&ソウル トーマス・リッケ/ルヤンダ・ムパルワ ほか
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