第1回 Collective Dialogueのダイジェスト映像を公開

ドキュメンテーション映像/柴田あすか

複雑かつ多様な課題が山積するなかで、求められているのは従来の発想に止まらない新たなクリエイティブ思考です。特定の方法論や発想に固執することなく、居合わせた人同士がそれぞれの知見やアイデアをぶつけ合い、混ぜ合わせながら、問題解決の糸口を見出す――そんなつながりの創出やアイデア共有の場を目指して始まったのが、去る2月20日に第1回を開催したCollective Dialogue(テーマ:「Our Community」)です。

当日は、このイベントを共催するAXISIDEOtakramの代表が開催に先立ち企画の主旨やそれぞれのコーポレートプロフィールを紹介。その後、7グループに分かれた参加らが、持参したオブジェや自らが抱えるコミュニティ課題についてプレゼンを行い、チームで取り組むテーマの選定に当たりました。

休憩を挟んでの第2部は、takramの渡邉康太郎氏、IDEOの田仲 薫氏が、それぞれのファームが有するメソッドについて解説することからスタート。アイデアや発想の拡張をうながすこれらのメソッドと、自らのチームの課題をどう組み合わせ、議論を推し進めていくか。チームとしての対話力や意見をまとめあげるスキルが試されることに。


▲Collective Dialogueの主役は参加者各人。参加者が自ら主体的に考え、学んだ理論やツールを活用して、ソーシャルイシューに対する解決案を導き出し、さらに参加者同士が互いの経験やアイデアを共有し、そのアイデアをより質の高いものにしていくことを目指します。写真/柴田あすか

こうしたプロセスを短時間でこなしたうえで、チームごとに構想したアイデアを発表するのがこの日のゴール。デザインの役割を社会の課題解決へと押し広げていくというCollective Dialogueの目的の一端が示される結果になりました。さらに、各チームが発表を終えた後、ゲストである参議院議員の鈴木 寛氏がマイクを持って登壇。それぞれの発表内容に対して講評を行う一方、提案されたアイデアを実社会や政策プロセスの中にどう埋め込んでいくのか、といった観点での課題も投げかけられました。

▲講評を述べるゲストファシリテーターの鈴木 寛氏(社会創発家、大阪大学招聘教授、参議院議員)。写真/柴田あすか

鈴木氏が講評時に発した、多様なステークホルダーとの連携を図りながら、社会課題におけるデザインの役割を明確にして発信していく必要性や、従来の認識や発想法に縛られず「卒近代」という視点でコミュニケーションやつながりを重視し、成果の可能性を広げていく議論が大切という話は、これからのデザインの役割や可能性を考えるうえで重要な問いかけになったのではないでしょうか。

講評が終わった後は、懇親会へと移り、シンハービールやレッドブルなどを飲みながら、会場に居合わせた人同士の語らいが遅くまで続きました。「社会的課題に取り組むさまざまな方と知り合えたのは素晴らしい経験だった」「普段関わることができない分野の人たちの思考やアイデアに触れることができ、また彼らと1つのアウトプットのために、議論できたのがひじょうに面白かった」といった感想が多く聞かれたことは、Collective Dialogueを企画したメンバーを大いに喜ばせました。


▲講評終了後に行われた懇親会の様子。リラックスした雰囲気のもと、タイのプレミアムビールである「シンハー」を片手にスタッフや参加者同士の語らいが遅くまで続きました。

幅広い年代・活動の専門性を持つ人々が集い、オープンな対話を通じてデザインの力を再認識していく創発型のクリエイティブセッションとして、5月22日(水)には第2回(テーマ:「Our Trash」)が開催されます。5月5日(日)まで参加者を募集していますので、興味のある方は是非ともエントリーください! 詳細についてはこちらから。