REPORT | 展覧会
2013.04.17 16:06
「H2H」(“Hand to Hand” and “Heaven to Heaven” or …)
デザイン:高柳英範
漆器制作:田口漆工房、(株)城取うるし工芸、(有)木曽漆工
カタチ
可杯です。中に酒を入れたまま置くと、倒れてこぼれます。
キモチ
一度に飲み干せないときには、どうしたらいいのでしょうか、
ツカイゴコチ
指で包み支えるように持ちます。置く機能を省くことで、持つことと飲むことだけに特化した形ができました。アイスクリームコーンや花束、聖火のトーチ、ハンドマイクなど、置くことが念頭にない形のなんと軽やかなことでしょう。そして、ゆっくり飲むために、杯を置く台を用意しました。舟型の置き台は何種類かのお酒を比べるときに便利です。
ヤマタノオロチ
たくさん飲める人はこの杯を手から離さず、退治されるまで飲んでください。
高柳英範/1954年静岡県生まれ。73年浜松工業高校工業デザイン科卒業。73年から85年まで諏訪精工舎(現セイコーエプソン)にて腕時計のデザインを担当。2000年・05年東京製本倶楽部展示会出展(しかけ絵本等)。07年から10年松本市美術館市民モニター(嘱託)。08年からセイコーエプソンにて情報機器画面のデザインを担当。10年高遠ブックフェスティバル出展(書皮の展示とワークショップ)。
この連載では、去る2月14日〜16日の3日間にわたって、アクシスギャラリーで開催された「SHIKKI de SHUKI 2013展」に出展された9名のデザイナーによるそれぞれの理想の酒器を紹介していきます。