NEWS | 建築
2012.11.12 17:43
『あの日からの建築 』
伊東豊雄 著(集英社新書 735円)
東日本大震災後、被災地に大量に設営された仮設住宅は、共同体を排除した「個」の風景そのものである。著者は、岩手県釜石市の復興プロジェクトに携わるなかで、すべてを失った被災地にこそ、近代主義に因らない自然に溶け込む建築やまちを実現できる可能性があると考えた。そして、住民相互が心を通わせ、集う場所「みんなの家」を各地で建設。本書では、著者自身の今までの活動を振り返りながら、親自然的な減災方法や集合住宅のあり方を具体的に提示していく。
以下、目次より;
第一章 あの日からの「建築」
地震発生当日のこと/被災地に見いだした明るさ/建築家として何ができるのか? など
第二章 釜石復興プロジェクト
釜石との関わり/住民たちの声を聞く/昔の仲間と一緒に元の場所で暮らしたい など
第三章 心のよりどころしての「みんなの家」
「みんなの家」というプロジェクト/仮設住宅で暮らす人たちの声を聞く/人々の心をつなぐ建築 など
第四章 「伊東建築塾」について
建築塾をはじめる/「ぐりんぐりん」での経験/建築塾では何を教えるのか など
第五章 私の歩んできた道
学生時代のこと/空間感覚の根底にあるもの/建築の形式性を崩す など
第六章 これからの建築を考える
日本社会のなかの建築家/社会的なプロジェクトから敬遠される建築家/住宅建築でデビューする日本の若手 など