MONOマガジンとU.S.Mによる廃材を用いたバッグが東急ハンズで限定で販売中

今の時期、東京はデザイン関連のイベントが目白押し。おととし、去年に続き、今年は……と皆さんに告知したいところですが、少し、イベント疲れしてまして、今年はお休みします。「流れを変える」という志は少しずつ実を結びつつあり、先月より東急ハンズ渋谷店のB1Fで、ナカダイのマテリアルの取り扱いを始めていただきました。

ハンズ渋谷店のB1Fのスタッフの皆さん、かなりの素材フェチです。まずは、行って、話しかけてみてください。ナカダイ社員顔負けの勢いで説明してくれます。そして、製品も販売しています。MONOマガジンとユー・エス・エムとのコラボによる限定バックです。

素材が継続して安定して手に入るものではないので、プロダクトとして世の中に出すのは、こういった企画ものがナカダイのマテリアルには向いているのかもしれません。アート作品や舞台などではしばしば使われていますが、ナカダイが主体的に製品化したのは初めてです。継続したいと思っています。ちなみに初回限定分は残り数個です。

『「才能」だけではつくれない。』

先日、ナカダイが大好きなアーティストの方から本をいただきました(もちろん、私も大好きな方です)。空間メディアプロデューサーで、岡本太郎記念館の館長でもある平野暁臣氏の『「才能」だけでは、つくれない。』という本です。経験に基づいた話が展開し、異常な説得力があります。廃棄物屋の私には、ひじょうに勉強になる1冊でした。皆さんにもお勧めします。スタートの言葉、「クリエイティブな仕事とは、新しい『なにか』を世に問う試みである」です。そして、それを実行していくに際し、“なにを”ではなく、“なぜ”。そして、ナカダイの武器は何か?

さまざまな方との出会いがあり、さまざまなメディアに取り上げられ、さまざまな誘いがあり、次は何をするか?こんどはどんなことしようか?となっていた自分に気付きました。なぜ、そのイベントをやるのか?なぜ、やったのか?について、アーカイブをできてませんでした。なにをやったか?は記録してありますが。

そして、ナカダイの最大の武器は?毎日廃棄物を見る私が、なんとかこの“ゴミ”と呼ばれるモノの流れを変えたいと思ったその気持ちに、全くぶれはありません。やはり現場です。この工場が好きで、この工場にたくさんの人に来てほしくて、その工場でたくさんのマテリアルや製品を発見してほしいと思っています。ナカダイにどうしたら来てもらえるか?越後妻有で少し、答えが見えた気がします。

月に1回、土、日に工場を開放します。次回は、11月17日、18日。マテリアルや製品はもちろん、輸入家具や雑貨も販売しています。すべて誰かがいらないといったものです。モノの流れを変えるビジネス、リマーケティングビジネス。ということで、来年の産廃サミットも群馬でやります。中之条ビエンナーレというイベントと同じ時期のようです。イベントに合わせた会場構成ではなく、普段からの会場構成。廃棄物中間処分場という空間をナカダイの最大の武器として使っていきます。(文/中台澄之)

この連載は株式会社ナカダイ前橋支店支店長・中台澄之さんに産業廃棄物に関するさまざまな話題を提供していただきます。