松屋銀座
「NUNO WORKS」がリニューアル。
インテリアデザインを担当したのは藤森泰司さん

8月末、東京・松屋銀座7Fの「NUNO WORKS」が場所を移し、新たなショップデザインに生まれ変わった。インテリアデザインを手がけたのは、家具デザイナーの藤森泰司である。

▲ 「ハンギングファニチャー」のコンセプト Photos by Taiji Fujimori Atelier

NUNO WORKSは、株式会社布の手がけるプリント生地を中心としたブランド。リニューアルオープンした店舗は、天井が低く、入り口側に大きな柱があるという制約の大きい場所。しかし、藤森泰司は、複雑な形状の店内を白色で統一し、パネル状に分解した什器を、床から浮かせるようにして配置していった。藤森が「ハンギングファニチャー」と呼ぶこれらの什器が、空間に余白を生み出し、軽やかさを与えるだけでなく、衣服、アクセサリー、インテリア小物、生地といった商品をそれぞれに相応しいかたちで陳列することを可能にしている。

▲ Photos by Yuki Omori(店舗写真すべて)

開口部の大きな柱は、この「ハンギングファニチャー」でつなぐことによって、2つの入り口に。店舗内に入りやすく、回遊しやすい1つの仕掛けとなっている。

実際、松屋銀座を訪れると、通路から店内へ足を進めやすくなった感がある。また、竹の集成材を素材にした什器は、その質感と色調ゆえか、テキスタイルのさまざまな風合いを浮かび上がらせるようだ。

店内ではワークショップも開催し、商品ディスプレイに応じて「ハンギングファニチャー」のあり方も少しずつ変えていくという。主役であるテキスタイルが、以前にも増して人々を誘い込むようなショップデザインといえるだろう。