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「FabLab(ファブラボ)」って何?

はじめまして。FabLab Japanによる新連載「FabLivesーー ファブラボジャパンの(ほぼ)なんでもつくる日々」の取りまとめをさせていただききます、岡村祐介です。初回は退屈かも知れませんが、前フリをいくつか。

「FabLabって何なの?」という質問にわかりやすく答えると、「3Dプリンタやカッティングマシンなど、コンピュータを使った最先端の工作機械を備えた実験工房です」という答えがイメージしやすいでしょうか。3Dプリンタというのは樹脂などから立体的な造形を出力できる機材で、カッティングマシンは、紙、木材、アクリル、金属の板を自由な形に切ることができる機材。FabLabはこうした機材の可能性を市民と共同で開拓していくことに取り組んでいます。

では、FabLabは何を目指した活動かというと、こうした最先端の機材を使って「ほぼあらゆるもの(almost anything)」をつくることを目標としています。自宅やオフィスをもう一度見回して見てください。自分でつくったモノや誰かと一緒につくったモノがどれだけあるでしょう? 人間は本来、自分に必要なものをつくったり、修理する能力を持っていましたが、大量生産という生産様式が主流となった現在、生活に必要なものは働いた賃金で購入するということが一般化しました。現代という時代はあまりにもつくることと使うことが離れてしまった時代なのかもしれません。FabLabはこうした現代において、個人が自らの必要性や欲求に応じてモノを自分(たち)自身でつくり出せるようになるような社会(パーソナルファブリケーションあるいはソーシャルファブリケーションと呼んでいます)をビジョンとして掲げている活動です。

MITのメディアラボからスタートしたFabLabは、2012年7月現在で、世界36カ国、施設は145に及んでいます。この連載では、世界に広がるFabLabの1つFabLab Japanのメンバーが、日々のものづくりやFabLab周辺の話題をリレー形式でお伝えしていきます。

次回は、FabLab Japanのファウンダーである田中浩也さんです。お楽しみに!(文/岡村祐介、FabLab Japan)

この連載はFabLab Japanのメンバーの皆さんに、リレー方式で、FabLabとその周辺の話題についてレポートしていただきます。