NEWS | 建築
2012.03.13 11:16
『日本人はどう住まうべきか?』
養老孟司、隈 研吾 著(日経BP 1,260円)
同じ中学・高校の先輩後輩でもある脳科学者の養老孟司氏と建築家の隈 研吾氏が、東日本大震災以降の大きな問題である「日本人はどう住まうべきか?」について語る。
養老「建築業界では、津波についてどう対策を考えていたんですか」
隈「驚くべきことに、津波に関してはノーマークだったんです」
養老「原発事故は絶対に起こらないというのと同じメンタリティですね」
隈「現在、僕たちが知っている都市というのは、アメリカが20世紀の最初に自動車と一体になってつくったものです」
養老「僕から見ればラオスとかブータンとかは世界最先進国だね(笑) 石油を一切つかっていない」
以下、目次より;
第1章 「だましだまし」の知恵
津波はノーマークだった建築業界/死後になった「国家百年の計」/ルーズだからこそ安全基準は高くなる など
第2章 原理主義に行かない勇気
コンクリートは「詐欺」に似ている/ファッションで買われていく高層マンション/「見えない建築」は偽善的 など
第3章 「ともだおれ」の思想
マンションに見るサラリーマン化の極北/都市復興の具体は女性に委ねるべし/人間はどこにだって住める など
第4章 適応力と笑いのワザ
家の「私有」から病いが始まる/人間が家に適応すればいい/「最貧国」が世界の先端になる など
第5章 経済観念という合理性
バーチャルな都市の異常な増殖/モデルルームのCGはインチキ/デザインセンスとは経済観念のことだ など
第6章 参勤交代のススメ
地上ではなく地下を見よう/災害復興にユートピア幻想は効かない/教育とは向かない人にあきらめてもらうこと など