NEWS | デザイン誌「AXIS」
2012.02.28 15:34
カバーインタビュー WOW(ヴィジュアル デザイン スタジオ)
「日本独自の間や距離感というものがある。それを、僕ら独自の表現として大切にしたい」
わずか6人で旗揚げされたスタジオは、15年という歳月を経た今、ビジュアルデザインの新たな地平を切り開く存在として、グローバルに注目を集めるまでになった。ミラノサローネやメゾン&オブジェへの参加など、映像という枠組みを超えた活動は、自然や身体、テクノロジーとの結びつきに関する新たな提案として、より豊かなコミュニケーションの創造を見据える。代表の高橋裕士、アートディレクターの鹿野 護、クリエイティブディレクターの於保浩介に聞いた。
特集 カーベンチャー 未来のカーライフを提示せよ
近年その実態が大きく変貌しつつある自動車産業。EV化や低燃費対応、スマートグリッドとの連携など、既存メーカーだけでなく、新たな発想を持つ新興企業が先端的な取り組みを行っている。産業構造のパラダイムシフトの波に乗って、大手メーカーにはない発想や軽快な動きで躍動するベンチャー。本特集では、クルマの開発や関連インフラ、サービスの創造に挑む、カーベンチャーにスポットを当て、これからのクルマの姿とそれがもたらす新たなカーライフについて考える。
匠のかたち 帽子
日本人の頭の形に合った、日本人に似合う帽子をつくり続けている職人がいる。大阪市・西川製帽の西川文二郎がその人である。帽子の原型となるパナマやフエルトの「帽体」をひとつひとつ丁寧に型入れし、手作業によるいくつもの工程を経ることで、しなやかで張りのある、美しい帽子ができ上がる。流行は、あえて追わない。ベーシックなものでありながら、どこか文二郎の帽子だとわかる個性も秘めている。昔ながらの機械に囲まれながら、ひたむきに帽子づくりに取り組む姿を追った。
オピニオン 玉井博文(マッスル 代表取締役)
「“思い至る”ために、考えることに特化する」
1988年の設立以来、ロボット用人工筋肉を研究しつつ、産業用機器の分野で数々のヒット製品を開発してきたマッスル。「考えることに特化する」というフィロソフィーの下、高い技術力を誇り、今や本格的なロボット開発に着手した同社。代表取締役の玉井博文氏を大阪の本社に訪ねた。
トピックス マルチェロ・ローゼンバウムによるブラジルのスラム改善プロジェクト
マルチェロ・ローゼンバウムと出会ったのは、2011年秋にリスボンで開かれた「エクスペリメンタ・デザイン」。スラム街のギャングや住民たちと信頼を築くまでの苦労話で始まった彼の講演は実に豪快だった。壇上では片時もじっとせず、興奮した汗が観客席まで飛び散る。ポルトガル語がわかれば会場の爆笑の理由や感動をもっと理解できただろうが、それでも彼の真剣な姿勢は存分に伝わってきた。フェアトレードやソーシャル・エンタープライズといった言葉を使わず、「役に立つデザイン」を提唱する点も新鮮だ。
トピックス 日本発の前衛建築理論に切り込んだ、『プロジェクト・ジャパン』
黒川紀章らの「メタボリズム」に丹下健三の「東京計画1960」。焦土と化した日本は驚異の復興を遂げ、60年代には未来的な計画が唱えられてゆく。建築、都市、そして国土へ。建築家も政治家も流れ込んだこの動きに、現代建築界きっての論客、レム・コールハースと、キュレーターのハンス・ウルリッヒ・オブリストが、当事者たちへのインタビューと調査を重ねて切り込んでいった1冊が、『プロジェクト・ジャパン メタボリズムは語る…』(邦訳版は平凡社刊)。700ページの大部を開けば、若き日のタンゲが、イソザキが、クロカワが現れ、時代の空気が立ちのぼってくる。
トピックス nendoの実験と柔軟さが意味すること
昨年12月、日本国内では約6年ぶりとなる本格的な個展を行ったnendo。この展覧会では、これまで日本でほとんど見られなかった実験的なデザインの成果も数多く披露され、彼らの創造性と柔軟性を改めて印象づけた。グローバルに変化し続けるコンテンポラリーデザインのシーンにおいて、nendoがどのような意識を持って活動しているのかを、代表の佐藤オオキに聞いた。
その他トピックス
深澤直人が考える「Found MUJI」
シリコンバレーの方法論を追体験「トウフ・プロジェクト」
香港ビジネス・オブ・デザイン・ウィーク 2011
オートモーティブ・デザイナーズナイト東京 2011
その他連載
ザ・プロトタイプ 「ホンダの体重支持型歩行アシスト」
まばたきの記憶 「偶然のホトトギス」
廣村正彰のJunglin’ 「ザワザワでムラムラ」
東京土木LIFE 「シュトコー へ ゴーッ!」
本づくし・書評 安積朋子、平賀明子、永田宏和
産学共同の正しいやり方「共立女子大学とベネッセコーポレーション」 ほか