vol.17 太陽光充電照明
「ノケロ N100/N200」


開発途上国で数多く利用されているケロシン(灯油)ランプによって、現地の子供たちは、1日当たり2箱のタバコを吸うスモーカーと同等の有毒ガスにさらされているという。

「ノー・ケロシン」の略から社名を採ったノケロは、このような健康被害を最小限に止めることを目的に設立され、ソーラーパネルを応用した照明や充電器具を安価に提供している企業だ。

なかでも、太陽光充電照明の「N100」(15ドル)と「N200」(20ドル)は、電球をモチーフにしたシンプルなフォルムと、利用の簡便さが特徴の製品であり、コストと使い勝手を両立させるデザインでまとめられている。

説明すら要しないほどの使用法は、ただ、昼間に太陽光の当たる場所にぶら下げておき、必要に応じてスイッチを入れるだけ。決してスタイリッシュさやトレンドを追いかけた製品ではないが、親しみが持てる実用的な外観と機能は、1つのグッドデザインと呼ぶに相応しい。




大谷和利/テクノロジーライター、東京・原宿にあるセレクトショップ「AssistOn」のアドバイザーであり、自称路上写真家。デザイン、電子機器、自転車、写真に関する執筆のほか、商品企画のコンサルティングも行う。近著は『iPodをつくった男 スティーブ・ジョブズの現場介入型ビジネス』『iPhoneをつくった会社 ケータイ業界を揺るがすアップル社の企業文化』『43のキーワードで読み解く ジョブズ流仕事術:意外とマネできる!ビジネス極意』(以上、アスキー新書)、『Macintosh名機図鑑』『iPhoneカメラ200%活用術』(以上、エイ出版社)、『iPhoneカメラライフ』(BNN新社)など。