カタチはシンプルだが、同じモジュールを組み合わせることによって、さまざまな表情を見せる製品がある。mhd(MASAKAZU HORI DESIGN)の「continue」(5,000円)も、そうしたオブジェクトの1つだ。
正方形のフレームに対して斜めに貫入する凹みを持つこの製品は、実はブックエンドであり、単体でも利用可能だが、2個を組み合わせることで生まれるバランスや、新たな機能性に面白さが感じられる。
例えば、ユニット1つだけで本を支えると、見た目にも下から重量を受け止めている印象があるが、縦に2個を積み上げて本をセットすると、宙に浮かんでいるかのように思えてくる。
また、外側に向かって跳ね上がるように凹みの傾きを揃えて2個を横並びに置くと、読みさしの本を開いて入れることでしおり代わりにもなる。
もちろん、それ以外の空間にも小振りの本を配置したり、ユニットとユニットの間に本を挟んで使うこともできる。
「continue」という名前は、しおりとして利用したときの本の続きをイメージさせるが、モジュールの連なりによって機能が拡張する様子も示していると感じられる製品だ。
大谷和利/テクノロジーライター、東京・原宿にあるセレクトショップ「AssistOn」のアドバイザーであり、自称路上写真家。デザイン、電子機器、自転車、写真に関する執筆のほか、商品企画のコンサルティングも行う。近著は『iPodをつくった男 スティーブ・ジョブズの現場介入型ビジネス』『iPhoneをつくった会社 ケータイ業界を揺るがすアップル社の企業文化』『43のキーワードで読み解く ジョブズ流仕事術:意外とマネできる!ビジネス極意』(以上、アスキー新書)、『Macintosh名機図鑑』『iPhoneカメラ200%活用術』(以上、エイ出版社)、『iPhoneカメラライフ』(BNN新社)など。