伝説の再来となるか?
スピード社の最新スイムウェア「Fastskin3」は最新技術の結晶

オリンピックイヤーの到来を目前に控え、アスリートにウェアや道具を提供するスポーツメーカーの周辺が慌ただしくなってきました。そうしたなか、2008年の北京オリンピックでマイケル・フェルプスに8つの金メダルをもたらしたことで知られる「レーザー・レーサー」の開発元、英スピードインターナショナル社が、新たなスイムウェア「Fastskin3」を発表しました。

数々のワールドレコードを打ち立てた「高速水着」のレーザー・レーサーが規定の変更により着用禁止となるなか、流体力学研究における世界的な権威を招き、水中における全身の抵抗をいかに軽減するかをコンセプトに、4年という歳月が費やされた「Fastskin3」の開発。画期的なレーシングシステムの開発には、オーストラリア国立スポーツ研究所や、3Dデータ収集とその解析で高い信頼を得る4Dマトリックス社などさまざまな専門機関が開発パートナーとして名を連ねています。

発表された「Fastskin3」の最大の特徴は、従来別々に開発していた水着とゴーグル、スイムキャップを一体として開発している点です。頭の先端からつま先までの水流を最新鋭の測定機器を使って分析し、全身にかかる受動抵抗を最大16.6%軽減(レーザー・レーサーとの比較においては、スタート時に全身にかかる受動抵抗を最大5.3%軽減)するなど、大幅な機能向上がはかられています。スイマーの身体全体を1つの移動体と見なす発想は、フロントウィングからリアウィングまでマシンの形状全体の空気の流れを計算して設計されるF1マシンに例えることができるといいます。

水中で全身にかかる抵抗を減らすために開発チームが着目したのは、しわが寄らないスイムキャップ、凹凸を減らして顔に密着するゴーグル、広範囲に身体を覆う水着の実現だったといます。それらを総合的に設計し、相互作用を促すことで、画期的なレーシングシステムは最大の効果(パフォーマンス)をスイマーにもたらすことになります。

また、3アイテムの主要部分に搭載される「フィット・ポイント・マーカー」は、正しく身体にフィットした状態であるかどうかを直感的に認識できる機能としてスイマーをサポート。スイマーの心理的不安要素を取り除くと同時に、競技への集中力を高めることに貢献します。心理学や生理学の見地からもさまざまなアイデアが取り入れられ、例えばゴーグルでは強力な締め付けでフィット性を確保するのではなく、世界規模で収集されたさまざまな3Dヘッドスキャンデータに基づき、頭や顔の形状にゴーグルが自然と馴染むデザインを実現。過度な締め付けを抑制しつつ、高いフィット感と快適性を両立しています。

「いかにレーザー・レーサーの成功を引き継ぐか」。スピード社COOのマシュー・ブリュースターは、「Fastskin3」の開発をこのような言葉で表現します。スイマーの心身を支えるアイテムとして近年高い注目を集める水着ですが、この「Fastskin3」が新たな伝説を築くこととなるのか。その真価はオリンピックという最高の舞台で証明されることになるでしょう。

スピード「Fastskin3」
問い合わせ:ゴールドウイン スピード事業部
電話:03-3481-7245