nendo 国内で6年ぶりとなる展覧会
「50projects _ 25objects+25spaces」
東京・六本木 AXISギャラリーにて開催

2012年1月にはパリの2つのギャラリーで同時に個展を行うなど、近年、海外の美術館やギャラリーを中心に精力的に新作発表を行ってきたデザインオフィスnendo そんな彼らの国内では6年ぶりとなる展覧会が12月8日(木)〜13日(火)までAXISビルで開催されます。本展は、日本未公開となる作品を中心に、来春設立10周年を迎える彼らがこれまで手がけたプロダクト25点とインテリア25点を厳選して紹介するものです。

▲ 黒いアクリル板を3層に重ねてつくられた本棚「Scatter Shelf」。本棚の正面に立つと、2次元のグリッドに3次元の立体物が浮かび上がるような不思議な感覚を思い起こさせます。

過去手がけた230にもおよぶプロジェクトから選りすぐったものだけを集めたということもあり、会場に並ぶのはどれも力作ばかり。とはいえ、「わかりやすいカタチ」を信条とするだけに堅苦しさとは無縁です。むしろ、表層が醸し出す雰囲気は、ひじょうに取っ付きやすいといっても過言ではありません。

▲こちらは、立体感のつかみづらい不思議なフォルムが魅力の「21400mm Chair」。作品と対峙したときのちょっとした「!」もnendoの魅力です。

例えば、MoMAの永久収蔵作品でもある「cabbage-chair」。これは、ロール状に巻かれたプリーツ紙の束を、野菜の皮を1枚1枚剥いていく要領で生み出されていますが、形状を見ればその大胆な製造プロセスがおぼろげに見えてきます。コンセプトやストーリーといったデザインが内包する要素をストレートにかたちに反映させているからこそ、「親近感」のような感情が作品に芽生えるのかもしれません。

▲All Photos by Masayuki Hayashi

建築からレストランの内外装、家具デザイン、プロダクト、グラフィックなど、特定ジャンルに特化しないnendoの活躍ぶりをうかがわせるかのように、展示作品は多岐にわたります。彼らが独自に展開するプロジェクトラインの「ワンパーセント・プロダクツ」からは5年ぶりとなる新作が。さらに、現在進行中のミラノを代表する百貨店「リナシェンテ」の改装計画やカラフルな陳列がコンビニの店頭を思わせる「24 ISSEY MIYAKE」のショップデザインの模型なども披露。2つの会場で構成された展示からは、柔軟な発想を持ち、自由にカタチや色を変えられるという意味で名づけられた屋号を地で行くような、彼らのデザインに対する姿勢がうかがえるかのようです。

10年というキャリアをひと区切りに、新たな飛躍を目指すnendoの今を伝える展覧会は、可変続けるデザインオフィスの次の姿を強く期待させるものとなるでしょう。会期は12月13日(火)まで、お見逃しないように!

50projects _ 25objects+25spaces
会期:2011年12月8日(木)〜13日(火)
会場AXISギャラリー(AXISビル4F)、シンポジア(AXISビルB1F)
時間:11:00〜19:00(最終日は〜17:00)
入場料:無料