産業廃棄物からデザインを考え・つくるワークショップ
東京・西麻布にて開催します

これを書いているのは、9月30日、半期決算最終日です。前回、旬の素材が入ってきてますとお話しして、毎日、旬の素材の山たちを見続けてました。毎年恒例の見慣れた光景ですが、今年はちょっと違って見えました。

そんななか、「驚くべき学びの世界展 in 京都」に協賛していたということもあり、京都に行ってきました。ナカダイと何の関係が?と思われる方がいると思いますが、ここで紹介されていたのはイタリアの小さな都市レッジョ・エミリア市のユニークな教育方法です。もっと詳しく知りたい方は、専門外の私の下手な説明よりも各自でお調べを……。検索したらたくさん出てきます。

私が会社として協賛しようと思ったのは、その教育コンセプトと「レミダ」という活動に共感したから。廃材をマテリアルとしてとらえ、子供たちに自由に発想してもらい……。ナカダイとほぼ同じコンセプトに驚きました。で、その廃材をマテリアルとして捉えたワークショップにも参加しました。

会場では、ナカダイでは数トンという単位で手に入るボトルなどのマテリアルが段ボール箱に入っていました。他にもナカダイでは良く見るマテリアルが、少しずつ箱や引き出しに入れられていました。

逆に、ナカダイでは見たことがない、京都ならではの廃棄物も。

ワークショップに参加した子供たちや一緒にいる親たちも、その空間に入り、体感して、自分で何かを感じて(学んで)、発想していきます。「廃材で楽器を作ろう!!」というワークショップでしたが、私では想像できない面白いモノ、変わったモノをつくっていました。

そして、9月23日の産廃サミット、ここで作品の写真を紹介するときりがないので、こちらをご覧ください。出展者はナカダイに来て、写真ではわからない量の威圧感と空気と音を体感し、何かを感じ、発想して、形にしています。作品については、たくさんお話ししたいことがありますが、いちばん感じたことは、そのアウトプットの多彩さに驚かされたこと。

正しい楽器と間違った楽器はありません。正しいイスと間違ったイスもありません。もちろん、正しい発想と間違った発想もありません。大人でも子供でも同じなんですね。それぞれの目線で、それぞれの年齢で、それぞれの感性でモノをつくっていく。とても良いです。僕はもうおじさんになってますが、こういう自由な発想は大事にしなくちゃいけないなと本当に思いました。

その“自由な発想”のお手伝いを、ナカダイのマテリアルができるのであれば、そりゃー、やりますよ!! 頑張りますよ!! 自由な発想を体からわき出させる。それが“体感すること”だと思います。そのためには、“体感することのできる環境”を提供すること。“体感する”ことで、“教える”のではなく、“感じる”、“学ぶ”ということができます。そして、何かを“発想”したとき、大人の世界で言う正しいとか間違ってるということはないのです。それらが存在するのは、社会のルールという枠組みの中です。このことを混同すると、若く斬新なアイデアや個性を殺してしまうことになりかねません。体感してみたい方、ぜひナカダイの工場へ。帰りにはちょっと違う世界が見えるはずです。

ビジネスにすることの難しさはありますが、この流れは絶対に続けなければとも、強く思った1カ月でした。なので、来月もやります!! 場所は西麻布のKREIで、2011年10月29日~11月6日まで、体感して発想できるナカダイの工場を期間限定でオープンします。その他、あなたも産廃業者になれる「“壊す”ワークショップ」や、もちろん「“作る”ワークショップ」も、そして、産廃サミットの作品の中から、デザイン誌「AXIS」がセレクトしたものなどを再展示します。

詳細はこちらで随時更新予定です。(文・写真/中台澄之)

この連載は株式会社ナカダイ前橋支店支店長・中台澄之さんに産業廃棄物に関するさまざまな話題を提供していただきます。