NEWS | デザイン誌「AXIS」
2011.08.29 17:42
カバーインタビュー 五十嵐久枝(デザイナー)
「インテリアデザイナーやスペースデザイナーでは領域が狭まる。しかし、デザイナーでは説明不足すぎる」という五十嵐久枝氏は、自らを「立体や空間を手がけるデザイナー」と説明する。クラマタデザイン事務所の出身ゆえか、インテリアデザイナーとしてのイメージが強いものの、家具や遊具などスペースに止まらないプロジェクトも手がけている。セルフプロモーションとは無縁なデザイナーでもあり、同業者から常に熱い視線を注がれている存在でもある。
特集「ツーリズムにデザイン」
「観光立国推進基本計画」。ここで日本政府によって掲げられている基本方針は、「国際競争力の高い魅力ある観光地の形成、観光産業の国際競争力の強化及び観光の振興に寄与する人材の育成、国際観光の振興、観光旅行の促進のための環境整備」など。これらを言葉どおりにとってしまえば、新たな“売り”をつくる、交通機関や周辺施設を整備する、新しいお土産を開発するとともに広告などブランディングを行うといった、既存の手法に陥りかねないのではないか。そうならないためにデザインがあるはずだが、はたしてどうか? 国内外の事例を見てみたい。
ツーリズムブランド開発のエキスパート、エンバシー/東京・墨田、台東区における3つの投げかけ/コペンハーゲン、世界一グリーンなバイク都市への挑戦/ナショナル・ツーリスト・イン・ノルウェー/国際エコツーリズム協会インタビュー ほか
新連載 廣村正彰のJunglin’
第1回「かたちはエッジ」
ジュングリンとは、グラフィックデザイナーの村正彰による「順繰り」と「ing」をつなげた造語。人が無意識のうちに日々繰り返す行動や振る舞いのことを指している。ここでは村が心動かされたジュングリンをピックアップし、そこに潜む人の意識や心の仕組みを考察する。
連載 匠のかたち「消防車」
過酷な現場で消火や救出という高度な活動にあたる消防士にとって、消防自動車は要であり、支えでもある。とりわけ、地上30〜50mという高所での作業を強いられるはしご車は、高い安全性と、堅牢さと安定感、機能性がなくてはならない。日本全国に消防車は約2万5,000台、はしご車は1,000台あるという。消防車の50%、はしご車の85%をつくる、消防車メーカー最大手のモリタの三田工場を訪れた。危険度の高いミッションを担う道具は、職人による手作業で生まれていた。
オピニオン 林 春男(京都大学防災研究所 巨大災害研究センター 教授)
「立ち直る力・回復する力を含めて『防災力』だと考える」。
長年巨大災害とその防災について研究を重ねてきた京都大学防災研究所 巨大災害研究センター 教授、林 春男氏。最初にインタビューしたのは2006年。そのときの「防災は目的ではなく機能である」という言葉が忘れられない。3月11日の東日本大震災を受け、改めてお話をうかがった。
トピックス メモリー・フィールド:場の記憶と時空間——新エストニア国立博物館を設計する「DGT」とは?
今年夏に建設が始まった新エストニア国立博物館。2005年に行われた国際建築設計コンペに優勝したのは、国籍の異なる3名の若者からなる建築家チームだった。コンペの優勝を機に建築設計事務所「DGT」を設立した彼らは、4月のミラノサローネにおける東芝のインスタレーションでも話題となり、8月のサイトウ・キネン・フェスティバル松本の空間構成でも注目を集めた。
トピックス 関係をつなぐデザイン——「消費ではなく、愛用を」と唱えた工業デザイナー、秋岡芳夫
秋岡芳夫というデザイナーをご存じだろうか? 生涯にわたってさまざまな活動を行い、実に多彩な側面を持つ。未来を展望するような、数多くの提言も残している。現代に生きるデザイナーはそれらをどのように受け止めるだろうか。
その他トピックス
大型トラックの新たな指標—メルセデス・ベンツ新型「アクトロス」
藤原 大ワークショップ、「テープワーク」という造形手法
ユニバーサルな箱のイノベーティブなデザイン「コンテナ・アーキテクチャー」展
その他連載
ザ・プロトタイプ 日立コンシューマエレクトロニクス「公共向けジェスチャーユーザインタフェース」
まばたきの記憶 「遊具の透視法」
本づくし・書評 和田 智/清水久和/深澤直人
産学共同の正しいやり方 「東洋美術学校と島根県経営者協会の島根プロジェクト」
クリエイターズワーク&ソウル SIDES CORE /magma ほか