中身が飛び出さない「カップゼリー」を目指して
パッケージのプロトタイプデザインをやってみた

サカイデザインアソシエイツによる「あったらいいなぁ・・・」の第11回は、季節感あふれる「カップゼリー」。こういった商品の多くは、「開封するときに中身が飛び出る可能性があります」といったような注意書きがされている。注意書きをするぐらいならば、飛び出ないようにできないのだろうか?と思っていたので、酒井俊彦さんの指摘に共感した人も多いのでは。


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時々、勢い余って飛び出てしまうカップヨーグルトと違って、ゼリーはぎりぎりまで充填しているためか、個人的にはほぼ100%の確率で、液体が溢れ出てしまう。また、動物性タンパク質のゼラチンを用いたゼリーと、寒天を使った水羊羹といったように、素材の性質も起因しているのだろうか。

メーカーに聞いたところ、ゼリーは熱によって殺菌する。その際、容器内に多量の空気が入っていると、熱を加えたときに膨張し破損につながってしまうため、ぎりぎりまで充填しているとのこと。

また、ゼリーが液体化する理由は、時間の経過とともに多少、離水という現象が起こるためで、それは品質にはまったく問題ないそうだ。

そういえば、以前、誤って多量のゼラチンを入れてゼリーをつくったことがあるが、いつまでも離水しないかわりに、がちがちに固まった、まったく美味しくないゼリーができてしまった。プルンとしたゼリーらしい食感をつくり出すために、離水という現象が起こり得るかもしれない、ぎりぎりの配合が選ばれているのだろう。

ならば、「あったらいいなぁ・・・」のように、縁を折り上げる方法は有効かもしれない。いつかゼリー好きが、安心してフィルムを開封できる日は来るのだろうか?