すべての世代の人たちが「らくらくに使える携帯電話」の
プロトタイプを作ってみた

サカイデザインアソシエイツによる「あったらいいなぁ・・・」の9回目は、編集部の意表を突いて「らくらくホン」。なぜ意外だったかと言うと、この連載はもともと酒井俊彦さんが、自ら使うことを前提に身の回りのものをデザインしているから。それほど、なんとかしたいプロダクトの1つなのかと思ったが、そうではなく、「もしデザインの選択肢があれば、結果的にフツーのケータイ全部が“らくらくホン”になるような気がして」とのこと。


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「らくらくホン」というネーミングは、マーケティング的には機能と目的を端的に示しているという点で評価されているようだ。けれど、心情的にはどこか売れ入れがたいものがあるのも事実。それは「使いやすければ、デザインなんてどうでもいいでしょ」と言われているように見えるから。「らくらくホン」が発売された12年前から、頑なまでにこの印象は変わっていない。

こういう製品にこそ、デザイン重視の方向を打ち出してみたらどうだろうか。きっと機能を絞り込んだ使いやすさとデザイン性を両立させ、年配の人以外も使いたくなるような、例えばスマートフォンと併用する人が出てくるような、新たなケータイができるのでは。

少なくとも、すでに何世代ものケータイを使い込んだ人々が「らくらくホン」の対象年齢になる頃には、今と同じものでいいわけがない、という気がする。