電力節減で印象が変わる震災後の東京

生まれてから長く故郷名古屋で暮らし働いた私が、この春から東京で働き暮らすことになりました。あれやこれやでバタバタしている最中に東日本大震災が起き、そんななか東京で住むところから身の回りまで準備するべく、行き来が始まりました。

震災後の横浜に着き、駅のコンコースを見て驚きました。なんだ!? この暗くて見たいものが見えない空間は……。トイレのサインが暗くてどこにあるのかわからない。場所によっては無計画に照明が消されているため、危険さえ感じたりします。そのときに思いました。このタイミングで東京に来るということは、照明を担う者として何とかしなければならないということなのだと。そんな使命感が、よりいっそう沸いてきました。

灯りは本来、人の心に深く影響を与えるとても大切なもの。そして一方、電力節減も大事なこと。この両立が今はうまく成立していないのだと思います。ただの我慢では、繁栄はないし、笑顔も心から表情に表れません。

活力がみなぎり、皆が心温かくなる灯りを、省電力でわれわれは創っていこうと思います。どうぞこれからをご期待ください。「ニュートーキョー」「ニュートーキョー」「ニュートーキョー」。さあ船出します。(マックスレイ マーケティンググループ 酒井 大輔)

この連載コラム「tomosu」では、照明メーカー、マックスレイのデザイン・企画部門の皆さんに、光や灯りを通して、さまざまな話題を提供いただきます。