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2011.02.03 16:48
建築家でありデザイナーでもある寺田尚樹とかみの工作所が、新ブランド「テラダモケイ」を2月1日に設立した。
▲2月1日にAXISギャラリーSYMPOSIAで開かれた発表会の模様。写真は寺田尚樹氏。
かみの工作所とは東京・立川の福永紙工と、プロデューサーの萩原 修が立ち上げた、紙の可能性を追求するプロジェクト。2006年にスタートし、多くのクリエイターと協業しながら「かみの道具展」を通じてさまざまな商品を開発している。
その個性的な製品群のなかのいちばんのヒット商品が、寺田による「建築模型用添景セット」。このシリーズを独立させて、本物のエッセンスや夢を凝縮できる「模型」の世界をさらに広げていこうという狙いだ。
▲新たに加わった「1/100建築模型用添景セット No.10 街路樹編」(1,575円)。葉っぱは47都道府県の形でもある。
寺田が建築模型をつくるときの苦労から発想したこのシリーズは、遊び心溢れるパーツのデザイン、レーザーカッターによる精巧で緻密なディテール、パーツのレイアウトの美しさ、組み立て説明のユニークさ……といった点から、建築家にとどまらないファンを獲得している。
今回の設立について、寺田は「模型を通じてモノに縮尺を与え、ディテールを与えることによって生まれる造形の可能性を探っていきたい」と抱負を語った。
▲「1/100建築模型用添景きせかえシール No.1 東京編」(価格未定)。
また「テラダモケイで田宮模型を超えたい。いや超えるような意気込みで」と冗談まじりに語ったが、プラスチックに比べて紙ならば短期間、少ロットに対応できるため、ノベルティや季節限定品など、さまざまな展開が期待できるかもしれない。すでに長崎県美術館では、隈 研吾の建物をモチーフにしたオリジナルバージョンがお目見えしている。
新たに「1/100建築模型用添景セット No.10 街路樹編」と「1/100建築模型用添景きせかえシール No.1 東京編」も加わり、模型で建築や街をつくり出そうという寺田たちの試みはどんどん拡張している。組み立てる楽しさはプラモデル同様だが、眺めるだけでも想像が膨らむという点がこの商品の魅力だろう。