歴史的名車をミニチュアで再現する。
スクラッチモデルとは何か?

すべてをゼロから始める究極の世界。

スクラッチモデルとは、ミュージアムや書籍、コレクターなどから資料を収集し、図面を作成して、既成の部品は使わず自作の部品で組み上げたモデルのこと。「スクラッチ」という言葉は”start from scratch”(ゼロから始める)という慣用語に由来する。通常1 台のみ制作される場合が多く、特にこれらを通称ONE OFF(ワンオフ)と呼び、その精度や実物の再現性は極めて高い。また材料の選定、使用する道具、工作方法などには制作者の創意が盛り込まれ、工芸品としての品格を備えている。

歴史的名車をミニチュアで再現する。

スクラッチモデラー高梨廣孝による名車のモデルづくりは、消失してしまった資料が多い中、細い糸をたぐるような情報収集から始まる。ミュージアムやコレクターが保存する実物を探しあて実測し、さらに関連書籍を探し求める。そして部品ごとに正確な図面を起こしていく。1台を完成させるのに7〜800点の部品づくりと膨大な時間。その根気を支えるのは、つくる歓びと出会いの歓びという制作プロセスにある。

▲ 小型旋盤とフライス盤での加工。切削に適した素材選びが美しさを左右する

▲「なまし」と「絞り」を繰り返し目的の形にする

▲ 複雑な形状の部品は金属接合が不可欠。銀ロウ付けによる強力な接合

▲ 仮組みされた骨格

▲ 完成した「ボーマーランド/1925」ぜひ会場で実物をご覧ください

「1/9の小宇宙」歴史的名車をスクラッチモデルでつくる
高梨廣孝 スクラッチモデル作品展
2011年2月4日(金)〜17日(木)11:00〜19:00
AXIS[シンポジア]にて

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