「成熟した国」ってどんな国? 11月9日 アーサー・ビナード講演会

これからの日本、あるいは日本のデザインを語る場合、よく使われるのが「成熟した国として……」というフレーズ。わかったようでわからない。成熟っていったい何だ?

アーサー・ビナードさん曰く「成熟って言われたときには、眉唾だと気をつけたほうがいい。例えば、二大政党制を“成熟した民主主義”というけれども、とんでもない。二大政党になった時点で袋小路。民主主義の墓場」。まずい成熟が進むと腐敗してしまうとも。

さらに「食文化とか若者文化とか、いろんな文化があるけれど、わかるようでわからない。じゃあ、文化の皮を剥がしていって、最後に何が残るかといえば、僕は文化だと思うんです。元になっている菌が言葉で、それが発行してできたものが文化。言葉の中の無数の微生物みたいなものが働いて、いろんな匂いや味を生み出していく。それが文化で、デザインも含まれる」。

アーサーさんの講演会を11月9 日にアクシスビル地下1階のシンポジアで開催します。お申し込み、詳細はこちらから。

アーサー・ビナード/1967年米国ミシガン生まれ。コルゲート大学で英米文学を学び、来日と同時に日本語で詩作を始める。2001年詩集『釣り上げては』で中原中也賞、05年に『日本語ぽこりぽこり』で講談社エッセイ賞、07年『ここが家だーーベン・シャーンの第五福竜丸』で日本絵本大賞を受賞。詩集に『左右の安全』、絵本に『くうきのかお』など多数。最新の翻訳絵本はボブ・ディラン作の『はじまりの日』。毎週木曜日には文化放送「吉田照美 ソコダイジナトコ」に出演中。

言葉の根っこにこだわるアーサーさんの著作もぜひ!

詩集『釣り上げては』(中原中也賞受賞)

『日本語ぽこりぽこり』(講談社エッセイ賞受賞)

最新の翻訳絵本はボブ・ディラン作の『はじまりの日』