カタールはドーハの「ザ・パール・カタール」という巨大プロジェクト内にできたチャイニーズレストラン「Tse Yang Chinese restaurant The Pearl-Qatar」の照明調整に行ってきました。デザイン担当はグラマラス・森田恭通氏。
上の写真はプロジェクト全体がわかる模型。その大きさと精巧なつくりに驚きます。円形中央部の3つの中洲部分にはファーストクラスのホテルが入る計画だとか。
レストランのファサードから見たコンドミニアム群です。工事中の建物は実写ですが、これもまた模型のように整然としています。日中は日差しが強烈で、歩いている人はほとんど見かけません。
レセプションを明日に控えてのメインダイニングの模様。とても明日、ゲストを迎えられる状態ではないことに危機感を覚えます。ペンダント照明も今晩中に取り付けられるとは到底思えないのですが……。
レセプション前夜、調光システムに不具合や未配線回路などが見つかり、明るさにバラツキが発生。明るさの落とせないシャンデリアや、異様に暗いベンチシートと間接照明のバーラウンジ。調整が間に合うのだろうかと不安に……。
レセプション数時間前のファサード。イベント用に真っ赤に染めて、幻想的な雰囲気に仕上げます。これで多少のアラは隠せます(汗)。
通路壁面のメッシュのモアレ。メッシュ面の型押しとの相乗効果が美しい。
レセプション開始直前に置いた植栽ディスプレイ。円形の照明飾台を壊さないように、グラマラスのスタッフ数人でそっと載せます。破損すれば一巻の終わり。
どこか懐かしさを感じる屏風が浮かび上がるメインダイニングの様子。
写真中央に見える多数の赤いタッセルやペンダント照明の取り付けもなんとか間に合い、テーブル設営や料理の陳列に忙殺されるホールスタッフとシェフたち。いろいろ不安材料はありましたが、照明調整も間に合い、乾杯のシャンパンがすべてのモヤモヤを吹き飛ばしてくれました。
森田氏のカタール・ドーハでの次のプロジェクトも決定し、しばらく快進撃が続きそうな予感に期待を寄せる私たちでした。(文/マックスレイ 伊藤賢二 )
この連載コラム「tomosu」では、照明メーカー、マックスレイのデザイン・企画部門の皆さんに、光や灯りを通して、さまざまな話題を提供いただきます。