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暮沢剛巳 著「アートピック・サイト」

『アートピック・サイト』
暮沢剛巳 著(美学出版 1,680円)

AXIS誌の連載「インスピレーション」でも執筆中の評論家、暮沢剛巳氏のここ10年来のさまざまな文章を採録した「批評集」。特定の場所や主題を否定する言葉「Atpic」。しかし展覧会を開催するためには特定の「Site」が欠かせない。その矛盾を両立させるためのさまざまな実験を必要とする「現場」に向けて、「Art」との造語「Artpic」へと視線を変換することで、美術と美術批評の現在を問う。

以下、目次より。
1 cityscape 都市のなかのアート-
横浜トリエンナーレの光と影/都市とアートのリノベーション 六本木の場合/もはや現実は観念を凌駕している ほか
2 mediascape メディアのなかのアート
大阪万博とインターメディアの空白/メディアアートにおける身体表現/芸術と科学の「同床異夢」ほか
3 omniscape 精神のなかのアート
アウトサイダー・アート/転倒する草間彌生の「自己消滅」/過去よりも未来へ オノ・ヨーコ展 ほか
4 modernscape モダニズムのなかのアート
モダニズムのエアポケットから/ブラジリアを巡る一考察/丹下健三の死 ほか
5 humanscape 作家論とその周辺
加納光於の物語性をめぐって/「サイトグラフィックス」の「魔術」/宮川 淳の「物質」と「イマージュ」
6 technoscape メティエのなかのアート
現代美術における「手」の問題/彦坂尚嘉の線描性/工芸とアフォーダンス ほか