NEWS | AXISフォント
2010.04.21 14:28
和文フォントがデザインの価値を左右する
和文は欧文と違い、漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベットや数字、句読点などを混合して文章をなす世界でも珍しい複雑さをもっています。これは日本が誇る文化で、未来もずっと変わることはありません。しかしこの複雑さが視覚デザイン上とても難題で、今でも日本のデザイナーを悩ませ続けています。昔からよく言われる「英文だからカッコいい」というセリフは、どこか和文へのあきらめを感じさせる切なさがあります。さらに和文を組む時は「小さめに」がデザインの定石になっていることもいまだに残念でなりません。
近年、日本では企業のグローバル化に伴い、欧文と和文の両方を扱うバイリンガル表記や、欧文を和文にした翻訳文章の掲載などが増加しています。しかしここでも海外のパンフレットやカタログなど、欧文のままだとクオリティが高いのに、日本向けに和文になったとたん全体の印象が貧相に見えてしまう経験があるのではないでしょうか。
印刷物だけではありません。もうひとつピンとこなかったプロダクトへの和文表記。たとえばクルマのスイッチ類や家電のリモコンなどに用いられている和文。この書体に馴染めずプロダクト全体のイメージが変わってしまうこともあります。また建築のサイン、そしてテレビや携帯、デジカメ、カーナビなどモニター上で見る和文。せっかくの良いフォルムやインターフェースに肝心の「眼」となる文字がさえないと全体の印象が変わってしまいます。これはもったいない。その意味で和文フォントはモノの価値まで左右してしまう重要な要素といえます。
・視認性が高くクセがない
・明快でスマートな表情
・和文と欧文の一体感
・太さ(ウエイト)の充実化
・OpenType化
これはAXIS Font のデザインコンセプトです。和文の使用範囲の拡大と、時代のニーズを反映しています。そして少々おおげさかもしれませんが、和文デザイン環境のインフラづくりにも貢献したいという願いを込めています。どんな人にも読みやすく美しい表現ができるスマートな和文を実現したい。そのフォントを使うとデザイン全体が良くなる。また、大きく堂々と使える和文。そんな志をもってデザインされたのがAXIS Font です。
最近ではこの考え方とデザインに共感していただき、コンピュータやゲーム、携帯電話、またファッションやファストフード、鉄道にいたるまで、徐々にAXIS Font を使っていただける企業が増えてきました。
コーポレートフォントとしてーーAXIS Font からの提案
AXIS Font からの新たな提案は、欧文のヘルベチカやユニバースなどのように、企業内のメディア全般に使うコーポレートフォントとしてぜひ活用していただきたいということです。
現在、欧米ではオリジナルフォントを開発して使用する企業が増えています。これは製品から広告、プレゼンテーション、社内文書にいたるまであらゆるメディアに徹底的に利用し、フォントをそのまま企業のスタイルにしてしまう新しいブランディング手法です。
実は日常的に使うフォントはCIのマークやカラーなどよりずっと露出量が多く、スタイルをつくりやすいのです。本社から関係会社、ディーラーやフランチャイジーにいたるまで、ひとつの書体をグループ全体で使えばイメージ統一はもちろんですが、コストダウンやデザイン決定プロセスでの無駄な時間を解消する効率化にも貢献します。
しかしここで問題がひとつ。欧文は実現しやすいのですが、和文は文字数が多くオリジナルをつくることが難しい。コストや時間もかかる。希望はあっても実現するのはなかなか困難です。また、外資系企業が日本に参入する場合、本国の厳しいCIで定められた指定書体に合う和文フォントを選ぶとなると、選択肢が少ないことに担当者やデザイナーは泣かされます。書体のイメージや太さ(ウエイト)が合わないのです。欧米に比べ日本の企業がデザイン面で遅れをとりやすいのはこんな場面にもあります。
AXIS Fontは、クセがなくモダンなクオリティと表情豊かな優しい印象を兼ね備えており、企業活動の幅広い範囲でご利用いただけます。すでに完成しているフォントですから、このままコーポレートフォントとするのもよし、CI指定の欧文などと組み合わせるのもよし。また太さ(ウエイト)がそろっているので他の書体との混植もしやすい。いままでの企業スタイルが一変するかも知れません。新年度のプロジェクトとしてぜひご検討を。そして新たに発表した、日本発のプロ版アルファベット「AXIS Font 欧文」にもご注目ください。
■ AXIS Fontのライセンスなどのお問い合わせは下記メールでお気軽に。
axisfont@axisinc.co.jp
■ AXIS Font 専用販売サイト。このサイトからフォントをお求めになれます。
www.axisfont.com
*AXIS Font の企画・デザイン・開発はタイププロジェクト株式会社によるものです。