新刊案内
磯崎 新、新保淳乃、阿部真弓 著『磯崎新の建築・美術をめぐる10の事件簿』

『磯崎新の建築・美術をめぐる10の事件簿』
磯崎 新、新保淳乃、阿部真弓 著(TOTO出版 2,100円)

帯の言葉は「500年を駆け巡る推理と検証の大旅行 あらゆる領域を横断せよ」。この言葉どおり、磯崎 新がルネサンス以降の500年の歴史から、建築と美術にまつわる10の重大事件を取り上げ、現在との関係性を紐解いていくという骨太な1冊。新進気鋭の美術史研究家、新保淳乃と阿部真弓を対談相手に、建築・美術に止まらず、国家・宗教・政治・産業・文学・映画など、さまざまな領域を横断しながら、推理と検証が繰り広げられる。世界を、そしてこれからの時代をどう認識し、その中で自らの軸をどこに置くべきなのか、を深く考えさせられる。

以下、目次より。
第1章 15世紀 建築書はなぜ書かれたのか 蝶番としてのアルベルティーー建築の「成立」から「解体」への道
第2章 16世紀 サッコ・ディ・ローマ 中心の喪失が強いた〈離散〉と〈手法〉
第3章 17世紀 権力者のパトロネージ 踊らされる建築家たちーーベルニーニとボッロミーニ
第4章 18世紀 グランド・ツアー 古典が相対化された時代ーーローマ参詣とピラネージ
第5章 19世紀 革命の挫折と近代国家の成立 『ルイ・ボナパルトのブリューメル18日』ーー見抜いていたマルクス
第6章 20世紀[1]1900-10年代 未来派のメトロポリス 時間と速度の変容ーーマリネッティとサンテリア
第7章 20世紀[2]1920-30年代 ファシズム時代のアーティストたち 古典主義と合理主義ーーあるいは西欧近代の遭難譚
第8章 20世紀[3]1940-50年代 ネオ・レアリスモ 「リアル」とは何かーーイデオロギーが激震した時代のこと
第9章 20世紀[4]1960-70年代 消えたユートピア 革命と洪水が残したもの
第10章 20世紀[5]1980-90年代 群島の間に 均質空間を残すーーノーノ、カッチャーリ、イソザキ
あとがき まだ事件現場にいます。……磯崎 新