REPORT | プロダクト
2010.03.04 11:10
去る2月19日、AXIS モバイル・トークセッション3 「ミネルバ本社・工場に宮本茂紀氏を訪ねる」を開催しました。場所は東京・品川の戸越銀座近くにあるミネルバ本社・工場。暗闇迫る18時過ぎ、AXISスタッフ含む総勢15名で宮本さんを訪ねましたが、ちょうど納品準備中の職人の皆さんが大忙し。本当に申し訳ございませんでした!
宮本さんの案内で、まずは1階工場から見学。ここでは紹介できませんが、修復中の驚くようなものが鎮座ましましていました。先進的なものからクラシックなものまで、あらゆる素材と技術に取り組むミネルバの真骨頂がそこに。
穏やかに淡々と話される宮本さんですが、その言葉の端々には衰え知らぬ向上心と反骨心が感じられました。「近ごろは色気がなくなった。デザインも“豆腐”のようなものが多くてつまんない」という言葉が突き刺さる。
かんなをはじめ多様な道具が並びます。
試作室を経て、ミネルバが日本総代理店をつとめる「メリタリア」の家具が並ぶ部屋などを案内していただきましたが、著名デザイナーの方々がデザインした各部屋のドアや取っ手など、建物のあらゆるところに遊び心が溢れています。それらは「デザインについて制約を設けず、デザイナーの方々に好き勝手にデザインしてもらったもの」(宮本さん)とのことで、まだまだ作品は増えていくそうです。
上の写真左はさまざまな皮の見本、右は喜多俊之さんデザインによる打ち合わせ室の扉。
さて、一通り見学が終了後、打ち合わせ室へ。着席して質問タイムと思いきや、宮本さんがワイン片手にいらっしゃり……、恐縮です!!!(笑)
ワインを飲みながらいろいろなお話をお伺いしましたが、宮本さんが漁師の息子とは知りませんでした。
和やかな雰囲気の中、しっかり魂を注入していいただきましたが、そんな宮本さんの言葉をいくつか紹介すると、「冒険しなきゃ」「自分をさらけ出して、第三者からの評価を受けないと」「素通りするのがいちばん怖い。?や!がなければつまらない」「今の社会に対応できますというだけのスタンスでは困る」「売れれば最高としたら、俺は寂しくてしょうがない」「もっと官能的にとらえたい」「皆さんには物語をつくってほしいなあ」「抵抗しながら生きてください。率直に抵抗すること」……。
「本当は焼き鳥屋でやればよかったな」と宮本さん。お忙しいなかありがとうございました。次回は戸越銀座でお願い致します!