NEWS | コンペ情報
2009.12.15 19:14
「ワールド スペース クリエイターズ アワード」(WSCA)という名称から、スペースデザイン、インテリアデザインに限ったコンペと勘違いしがちだが、ワールドの思い描く対象は幅広い。もちろん、店舗空間のデザインを提案しても良いのだが、什器やディスプレイのあり方、人が思わず足を踏み入れたくなるような仕掛け、ブランドメッセージの発信方法……。テーマは「出逢いの場としての新しいショップスタイル」である。
その点を、ワールドのWSCAプロデューサー、松宮 宏さんは説明する。「今、全国の大学と取り組んでいる産学連携アートプロジェクトも同様ですが、店舗の評価は数字だけでなく、いかに人々とコミュニケーションし、その体験を楽しいと思ってもらえるかが重要」。そのため、産学連携アートプロジェクトでは、「フラクサス」(ワールドのファッションライフスタイルストア)のウィンドウ・ディスプレイを、アートをキーワードに学生たちとともにデザインして施工。学生たちの新しいアイデアによって、人々を惹き付けるショップをつくり出している。
また、松宮さんは「以前は、東京で決めたショップのデザインを全国の同一ブランドで一律に展開してきました。しかし、すべてを中央で決めて、全国で同じように実施するというやり方は、もう違うのではないか。その地域ならではのアイデアやデザインを取り込みながら、地元の人たちがつくり上げる。そのほうが人とショップとの出逢いは多くなると思います」と語っている。
今回のアワードから「JOY T コンペ」という部門が新たに加わっている。これが他の「Tシャツコンペ」と違うのは、Tシャツのイラストや柄のデザインだけでなく、期間限定のモバイルショップのデザイン、販売方法、さらには、Tシャツの素材、縫製、加工といった、Tシャツそのもののデザインまで対象にしていることだ。総合アパレルメーカーだからこそ可能なコンペであると同時に、いよいよ服自体を対象に定めた、ワールドの本気度の現れとも言えるのではないだろうか。
過去の例を見てもわかるように、WSCAは単に賞を決めて終わりというアワードではない。受賞作品の実現を目指し、そのままのデザインで実現できなくとも、その後、なんらかのかたちでクリエイターとの仕事に結びつけているという。そういう意味では、参加するクリエイターにとっても、魅力的なアワードと言えるに違いない。
「ワールド スペース クリエイターズ アワード 2010」
テーマ 出逢いの場としての新しいショップスタイル
募集部門 プロフェッショナル部門インテリアデザイン賞
プロフェッショナル部門ショップヴィジュアル賞
学生部門
JOY T コンペ
審査員長 深澤直人(プロダクトデザイナー)
審査員 仲佐 猛(ナカサ&パートナーズ、写真家)
中道 淳(ナカサ&パートナーズ、写真家)
近藤康夫(インテリアデザイナー)
高橋紀人(Jamo associates、デザイナー)
神林千夏(Jamo associates、スタイリスト)
服部滋樹(graf、デザイナー)
特別審査員 菊池武夫(クリエイティブディレクター)
作品受付 2010年1月8日〜29日まで