ザ・プロトタイプ・アーカイブ 10
東京大学 先端科学技術研究センター「木洩れ日のディスプレイ」(2006〜)

自然光を光源にする光と影のディスプレイ。透明・不透明を高速に切り替える液晶フィルムを画素として配列することで、透過する光を細分化してオン・オフすることが可能。天井や窓、屋外での使用を想定しており、自然界の木洩れ日のような現象を人工的に生成、壁面や地面に影としてその画像を表示する。情報伝達の機能だけでなく、光線の束が躍動的に空間を満たすことで、人の感性に訴える新しいディスプレイのかたちを提案している。

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また、液晶フィルムの点滅によって透過する太陽光に電子信号を付加することで、光センサーを搭載したデバイスを介して電子情報を受け取ることも可能。自然光に情報のフィルターを重ねれば、屋内外における、人と太陽光との未知なるインタラクションも期待できる。

ここでの商会モデルは、正方形の画素を16×16で配列したタイプ(文字や図形などを表示可能)と、太陽光と葉の形の関係に着目し、葉型の画素を8×8に配列、複数の層に分配したものの2タイプ。(AXIS123号特集「21世紀のID」より)