森美術館
「MAMプレスアニュアル2009」から考えること

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年の瀬が近づくにつれて気になるのが、来年の動向やスケジュール。美術館であれば、当然のことながら企画展ラインナップということになります。森美術館は昨年に引き続き、報道関係者などを集め、2010年度の企画展内容に関する発表会を行いました。

当日アナウンスされた2010年度の企画展は大きく3つです。3年に一度の開催となる「六本木クロッシング2010展:芸術は可能か? 〜明日に挑む日本のアート」(会期は2010年3月20日〜7月4日)、ふたりのアーティスト+ひとりのデザイナーがそれぞれの自然観を表現に昇華させる「ネイチャー・センス展:日本の自然知覚力を考える 栗林 隆、篠田太郎、吉岡徳仁」(会期は2010年7月24日~11月7日)、そして「小谷元彦展(仮称)」(会期は2010年11月27日~2011年2月27日)です。他に若手の芸術家を支援することを目的とした「MAMプロジェクト」や、3月28日(土)の日没から29日(日)の早朝まで行う「六本木アートナイト2010」などについても、担当キュレーターから概要の説明がありました。

3つの企画展のタイトルからも想像できるように、2010年度は日本の文化や芸術に今一度フォーカスし、そこから現代日本のクリエイティブシーンを再定義することを大きなテーマに据えています。政権交代によって政治の枠組み、国の道筋が大きな変革を向かえるなか、芸術分野においても日本の役割、位置づけを再考する時期を迎えているのかもしれません。

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音楽シーンやグラフィティといった分野で活躍する作家も積極的に紹介していくとのこと。木ノ下知恵子氏(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター特任講師)、窪田研二氏(インディペンデントキュレーター)に加え、森美術館の近藤健一アソシエイト・キュレーターが、作家の人選など企画を担当。

クロッシング展のタイトルに添えられた「芸術は可能か?」という文句は、ダムタイプの古橋悌二氏が、バブル崩壊直後のアートシーンを考えるなかで発した問いだといいます。社会情勢や経済状況が同じように不安定な状況下にある今、この普遍的な問いかけを改めて考えることに大きな意味があるとすれば、それはデザインの世界にも言えることなのかもしれません。

本日からは都内周辺で、DESIGNTIDEなどさまざまなデザインイベントがスタートします。「デザインは可能か?」、その答えの一端にたくさん出会えることを期待したいものです。