三洋電機
「エネループ ユニバース プロジェクト」(2006)


環境保全と豊かで快適な社会の実現を謳った経営ビジョン「Think GAIA」の第1弾商品として発売したニッケル水素電池「エネループ」を軸に、クリーンエナジーの世界観をいっそう広げていくための試み。

商品を通じて生活者が「エネルギーを使う行為」を見直し、社会を変えていこうとする動きに繋がることを目指している。デザインは、そのきっかけを醸成する “タッチポイント”として、視覚面では優しさや愛らしさを、さらに笑みを誘うような動きや反応を盛り込み、商品への関心を促す。

太陽光で電池を充電したり、USBケーブルで携帯電話への電力供給が可能なソーラー充電器は、パネルの縁の四隅に指を載せると、ブルーのインジケーターランプが点灯し、電池の充電状況を知らせてくれるというもの。底面が球体になっているので、日光がよく当たる窓辺に置いて、起き上がり小法師のように揺れる動作を楽しむこともできる。

犬型の電池容量チェッカーは、胴体にあたる部分に電池をセットし胴体をつまむと、鼻が光り、発光状態で残量を知らせる。容量確認時以外でもインテリアを彩る小物として使用できるなど、オンとオフの両面で活躍の場を提示している。

Photos by Makoto Fujii

使い捨てカイロのアンチテーゼとして、“使い捨てない”をコンセプトにしたのが携帯型暖房器具のハンディーウォーマー。丸みを帯びた優しいラインが、手に馴染みやすく、温もりを伝える。リチウムイオン電池による充電方式を想定している。(AXIS 123号 特集「21世紀のID」より)