REPORT | デザイン誌「AXIS」
2009.08.03 20:23
AXIS 74号(1998年7・8月)の表紙に登場いただいたのは、フランスを代表するインテリアデザイナー、「アンドレ・プットマン Andree Putman」氏。
60年代にはデザインジャーナリストとして活躍し、ベケットやピカソといった巨匠や多くのデザイナーと出会うなかで、70年代後半より、自らも創作活動へと入っていきます。
当時のインタビューを振り返れば、人々の生活を美しいものにしたいという、その優しい語り口とは別に、氏の言葉の中には、何ものにもとらわれず、自分だけの真実を見つけ出したいという強い反骨心が垣間見られます。
「ひとつの価値観で、いいものと悪いものを判断するのではなく、さまざまなものを混ぜたなかからもいいものが出てくる。……実体のないルールを取り払ったときに、自分の中に折衷主義的な考え方が生まれたと思います」
「総合的に考えるというよりも、空間そのものに柔軟性を持たせるようにしています。それぞれの空間の機能を限定せず、季節や時間によって、さまざまな変化を持たせられるように」
「新しいものを次から次へとつくり出すことは、今まではオーディオやクルマななど、テクノロジーの世界の競争だったはずが、デザイン界も同じ競争の世界に入ってしまったような気がします」
アンドレ・プットマン/フランス・パリ生まれ。作曲家、デザインジャーナリストなどの活動を経て、78年にエカール・インターナショナル社を創設し、アイリーン・グレイをはじめ、マレ・ステヴァン、ピエール・シャローらの作品のリプロデュースを手がける。モーガンズ・ホテル、サンローランのブティック、フランス財務大臣のオフィスのインテリアデザインから、家具やファブリック、食器まで、そのデザイン領域は広い。日本では、アッシュ・ア・ドゥー社と共同開発を展開し、河口湖のホテル、ラ・ルックや神戸のオーキッドクラブハウスなどの家具を制作。氏のホームページはこちら。