NEWS | デザイン誌「AXIS」
2009.06.25 17:47
AXISでは、70号(1997年11・12月)より、毎号、表紙および表紙インタビューおいて、第一線で活躍するデザイナーの方々をフィーチャーしてきました。
jikuでは、「Designers on AXIS cover」と題して、70号から現在までのポートレートの数々を毎週順番に紹介していきます。
第1回は、その70号に登場いただいた、今は亡き巨匠「エットレ・ソットサス Ettore Sottsass」氏。
シリーズ開始当初は「創り手の肖像」と題して、ポートレートとともに、手も撮影させていただきました。デザイナーの創造性あるいは個性というものは、顔だけではなく、その手にも表れるのではないだろうか、という想いからです。つまり、ものを創り出す手、その表情を見たいと思ったのです。
当時のインタビューから氏の印象的な言葉を拾ってみれば……
「山で生まれ、山で暮らしたために、『重さ』の感覚がすごくある。私のデザインでは、『重さ』はとても重要なのです。近代の建築家はなるべく軽く、浮くような建築を目指してきましたが、私は全く逆です」
「消費文化の片棒をかつぐ工業デザインはやめました」
「人生はナンセンスだと思います。クルマを買って満足する、ディスコに行って楽しむ、その場の欲望を満たすだけで、後には何も残らない」
エットレ・ソットサス/1917年オーストリア生まれ。トリノ工科大学卒業。47年ミラノに建築・デザイン事務所を設立。58年にはオリベッティ社のデザインコンサルタントに就任し、同社の先進的なエレクトロニクス戦略に寄与。81年にはアンドレア・ブランツィ、ミケーレ・デ・デルッキとともに前衛デザイングループ「メンフィス」を結成。同年マルコ・ザニーニらとソットサス・アソシエイツを設立し、建築、インテリア、プロダクト、グラフィックなど幅広いデザイン活動を続け、数々の名作を世に残した。2007年12月31日ミラノにて死去。亡くなる3 日前まで精力的に仕事をこなしていたという。