PRODUCT DESIGN  2024

特集

PRODUCT DESIGN 2024

あらためてモノの造形や可能性を探りたい。デザイン誌の原点とも言えるテーマへ立ち返るとともに、最新プロダクトが私たちの暮らしや社会に与える影響を正確に捉えたいと思います。デザインのトレンドがコトやバ、さらには仮想空間へと重心を移して久しいですが、依然としてモノには大きな説得力があります。実際に見て触れることができる意匠は、私たちの感情を瞬時に揺り動かすことができますし、モノのデザインは半径1m以内の生活圏から社会全体のシステムまで、広範囲に影響を及ぼします。今こそプロダクトデザインの可能性を探ることが必要であり、それは決して回顧ではなく、むしろ現実的、未来志向的な試みとも言えるでしょう。インテリアからモビリティ、さらにXRまで、各領域の最新プロダクトから見えてくるデザインの真のポテンシャルを考察します。

Vol.2282024年03月01日 発売
定価:1,800円
表紙:Michinori Aoki

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016

アートとプロダクトはいつか再び重なり合う ティーンエージ・エンジニアリングのデザイン哲学

1970年代から80年代のプロダクトを想起させるデザイン。スウェーデンのデザインスタジオ「ティーンエージ・エンジニアリング」が2023年に発表したポータブルレコーダー「TP-7」は、最新のテクノロジーを備えていながら「ラジカセ全盛期」を彷彿とさせるルックスで話題を集めている。同社の創設者でありプロダクトデザイナーのイェスパー・コーフーは、現代のデジタルデバイスのデザインを批判しつつ、あるべき未来像をレオナルド・ダ・ヴィンチに投影する。

アートとプロダクトはいつか再び重なり合う ティーンエージ・エンジニアリングのデザイン哲学

022

モビリティデザインを変える、 ヤマハ発動機のプラットフォーム構想と 生成AI活用

東京オートサロン2024でヤマハ発動機が発表したパーソナルEVのプロトモデル。さまざまなパートナーとの共創や生成AIの活用プロジェクトの背景には、モビリティデザインの仕組みを変え得るプラットフォームの構想があった。

モビリティデザインを変える、 ヤマハ発動機のプラットフォーム構想と 生成AI活用

028

“乗って楽しい”を追求した 米国ホンダの電動バイク

昨年11月、ホンダの北米法人がパーツを折りたたんでスーツケースのように持ち運ぶことができる電動バイク「モトコンパクト」を発売した。日本でもジャパンモビリティショーでお披露目されると、バイクとは思えないほどのコンパクトさや愛らしい姿が一躍話題になった。開発チームを率いるジェーン・ナカガワとニック・ジラルドに、開発の経緯とデザインのこだわりについて聞いた。

“乗って楽しい”を追求した 米国ホンダの電動バイク

034

コンシューマプロダクトのトレンドを取り入れた、フューズプロジェクトによる歩行補助装置

米国では現在3,500万人以上もの人々が、病気や事故などの理由で日常の歩行をスムーズに行えずにいる。そのなかには、神経性の難病である多発性硬化症や脳卒中の後遺症といった身体の麻痺が原因の症例も含まれる。「シオニック・ニューラル・スリーブ」は、AIによるデータ分析とセンサー技術を駆使し、これらの人々の歩行を助ける理学療法器具だ。2023年に米国のスタートアップが販売を開始し、期待を集めている。

コンシューマプロダクトのトレンドを取り入れた、フューズプロジェクトによる歩行補助装置

040

フレキシブルな発想が時代をリードする ビャルケ・インゲルス・グループ(BIG)の照明

1959年の創業以来、高品質な製品づくりで照明業界をリードする、イタリアのアルテミデ社。リチャード・サッパーから
ヘルツォーク&ド・ムーロンまで、常に時代をリードするデザイナーや建築家と協力して製品開発を行い、名品も多く輩出している。昨年、同社から製品化された「ラ・リネア」は、独創的な発想で照明の概念を覆した異色作。このデザインを担当した、ビャルケ・インゲルス・グループ(BIG)の建築家でありパートナーを務める、ヤコブ・ランゲに話を聞く。

フレキシブルな発想が時代をリードする ビャルケ・インゲルス・グループ(BIG)の照明

046

特別対談 | 西堀 晋×21B STUDIO

プロダクトデザイナーのマインドをどうデザインするべきか

プロダクトデザインほど、インハウスか独立系かが問われる分野はないだろう。特に工業製品においては、ひとりのデザイナーで完結する仕事ではないことが理由と言えるが、組織の枠を超えようとするクリエイターも少なくない。若きデザイナー3人が、軸となる仕事を続けながら、やわらかな発想でプロダクトデザインに向き合う21B STUDIO。一方の西堀 晋は、パナソニック、フリーランス、アップルと軽やかに場を変えながら、プロダクトの行く先を提示してきた。両者の対話は、プロダクトデザインへの本音と愛情の応答でもあった。西堀の選んだ注目のプロダクトとともに紹介する。

プロダクトデザイナーのマインドをどうデザインするべきか

052

速さを訴求するデザイン ミズノとデサントのスーパーシューズ

競技に勝つツールとしてのランニングシューズ。プロフェッショナルランナーに特化したプロダクトの開発シーンでは、テクノロジーとデザインを巡るさまざまな議論が展開されているはずだ。ミズノとデサントが手がけるスーパーシューズについて話を聞いた。

速さを訴求するデザイン ミズノとデサントのスーパーシューズ

058

仮想空間の手触りをクリエイター視点で考える ソニーの「ストレスフリー」の形状に徹した 3Dデザインのフォームファクター

2024年1月、米ラスベガス。世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2024」は、多くの話題で賑わった。注目されたソニーのプレスカンファレンスは、ソニーグループの吉田憲一郎会長 CEOが登壇。映像クリエイターのための次世代ビジュアライゼーション施設「Torchlight(トーチライト)」や音楽や映画・テレビ番組制作などの事業におけるクリエイターを支援する取り組みを紹介した。 そして「クリエイティビティへの強い思いとともに、私たちは仮想空間と現実空間の両方で新たな可能性を探求し続ける」という言葉とともにお披露目されたのが、空間コンテンツ制作のためのソリューションだった。開発中のため、正式名称はまだない。高精細なディスプレイを備えたハードウェアと独自のメタバース技術で3Dコンテンツの制作を支援するシステムは、どのような背景で設計されたのか。

仮想空間の手触りをクリエイター視点で考える ソニーの「ストレスフリー」の形状に徹した 3Dデザインのフォームファクター

064

ピザを片手に4人で語り合う 「カトラリー研究会」とは?

2021年のとある冬の夜、都内にあるDRILL DESIGNのスタジオでピザを囲んでいたところ、いつの間にか始まっていたのが、手元のフォークやナイフを題材にしたデザイン談義。「どれが売れている」や「誰がデザインした」ではなく、シンプルに「どのカトラリーがいいか?」をテーマにした4人の対話は、3時間にわたって続いた。そのときのメンバー、DRILL DESIGNの林 裕輔と安西葉子、バイヤーの山田 遊、プロダクトデザイナーの鈴木 元が好きな銘品を複数持ち寄り、改めて、カトラリーについて話した。

ピザを片手に4人で語り合う 「カトラリー研究会」とは?

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Close-Up

江戸東京リシンク展

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LEADERS

MIKIKO(演出振付家)

076

Sci Tech File

ヒトの言語誕生の鍵をサルの音声器官の進化から探る

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田川欣哉のBTCトークジャム

ゲスト: 松岡陽子(ヨハナ創業者・CEO、パナソニック ホールディングス執行役員、
パナソニックウェル本部長)

094

Insight

バイオデザインからより良い未来を導く、ナッサイ・オードリー・チエザ

100

Insight

紙と布が生み出す「サンクチュアリ」ウクライナ侵攻、能登半島地震     
ーー家を失った人に寄り添う建築家・坂 茂

106

Insight

2024年の倉俣デザイン論 その偉大なる創造性が現在に指し示すもの

112

TAKT PROJECTの東北考

地続きの異界

116

& DESIGN

テック(深津貴之)、ブック(宮後優子)、フード(君島佐和子)、インテリア(土田貴宏)、

121

クリエイターズナビ

アンドレア・ガスナー、ロウ・カラー、川合将人、サンティ・アラムウィブル、髙濱史子

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