特集
テクノロジーで更新するファッション
ものづくりに進化を促す先端テクノロジー。3Dプリンターやデジタルプリント、IoTやAI技術の登場によって、その波が今、ファッションの分野に急速に広がりつつある。テクノロジーとファッションというふたつの領域の急接近は、クリエイションやビジネスのスタイルに変革を迫るだけでなく、着る、装うという行為の意味や価値にも新たな問いを投げかける。数年後、服は単なる布の集合体ではなく、さまざまな先端技術が織り込まれたテクノロジーの集積として、人々の暮らしに寄り添うものになっているのかもしれない。“デジタル”の衣を身にまとうという大きなうねりを取り込みながら、ファッションの世界は今後どう進化していくのか。その行方を追う。
Vol.191 | 2017年12月28日 発売 |
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定価: | 1,800円 |
表紙: | 表紙イラストレーション ヤヌス・ユレック |
016
現実味を帯びてきたファッション・デジタル化の流れ
デジタルテクノロジーが産業や生活のあらゆる分野に浸透するなか、ファッション市場も例外ではない。ITを駆使して新たなサービスを提供する「ファッションテック」は、デザインや製造工程、流通といった業界の慣習や仕組みを大きく変える可能性を秘める。デジタルテクノロジーを取り込むことでファッションはどうアップデートされるのか。
020
ゴールドウイン テック・ラボ―ここから生まれるファッションとテクノロジーの融合
2017年11月、ザ・ノース・フェイスをはじめとするブランドを展開するゴールドウインが、富山県小矢部市にテック・ラボを誕生させた。Spiber(スパイバー)と共同で人工合成クモ糸による製品開発なども進める同社は、このラボからファッションにどんな革新を生み出そうとしているのか。
026
テクノロジーが切り開くファッションの未来
今、ファッションの世界に押し寄せているテクノロジーの波は、従来のファッションシステムやその習慣とは別のところで開発されたものが目立っている。こうした先端技術がファッションの抱える問題を解決し、予想外の機能性を提供しようとしている。
030
ファッションをめぐるメタデザインの要請―すべてが記号・情報化され得る未来の装いに向けて
あらゆるテクノロジーの発展と普及は、プロダクトとしてのファッションのかたちを変えるだけでなく、ファッションデザインという領域そのものも変容させ続けている。デジタルツールとマテリアル、デザイナーとユーザー、自然と人工など、あらゆる境界を超えるファッションにおいて求められるデザイナー像とその視座を望む。
034
都市のニーズに素早く応える―アディダス「スピードファクトリー」
自動化された製造ラインなど最先端の技術を盛り込んだアディダスの新工場「スピードファクトリー」。1993年に停止して以来、24年ぶりにドイツ国内でシューズの生産を再開した施設は、“速さ”を武器に、生産や流通までを見据えたシューズのイノベーションに取り組む。
036
サイエンスがファッションをボーダレスにする― MoMAキュレーター、パオラ・アントネッリ
2017年10月より18年1月まで、ニューヨーク近代美術館(MoMA)でファッションのエキシビションが開催されている。タイトルは「アイテムズ:ファッションはモダンか?」。キュレーターは野心的なデザイン展で知られ、数々のクリエイターを世界的な存在に押し上げてきたパオラ・アントネッリ。同展からファッションとテクノロジーの関係を探った。
040
布に織り込まれる「今」、そして「未来」への道筋― 梶原加奈子
テキスタイルの概念が大きく変わろうとしている。その最前線にいるのが、KAJIHARA DESIGN STUDIO(KDS)を率いるテキスタイルデザイナーの梶原加奈子だ。海外のIT企業と組み、伝導性繊維を活用したウェアラブルデバイスの開発に携わる一方、国内を飛び回り、日本独自の素材の原石を掘り起こす。
042
対談 中里唯馬× Eugene Kangawa―すべての人が一点ものの服を手にする時代へ
パリ・オートクチュール・コレクションに2人目の日本人デザイナーとして公式参加を果たした中里唯馬。2017年7月には、レーザーカットしたパーツ型のテキスタイルユニットを、3Dプリンターで出力した留め具でつなぎ、身体データに合わせて服をつくるという「3D ユニット・コンストラクション・テキスタイル」を発表し、話題を呼んだ。一方、「破壊から創造へ」をテーマに、人工知能やバイオテクノロジーといった最先端技術を駆使してアートやデザインで実験的な表現を試みるザ・ユージーン・スタジオのEugene Kangawa。気鋭のクリエイターふたりが、テクノロジーと装いの未来について語り合った。
050
3人のクリエイターが探る未来のファッション
ロザンナ・ヴァン・ダー・ミア、ナツアイ・オードリー・チエザ、シルビア・ヘイゼル
マテリアルロスや着捨て、天然資源の枯渇といった社会課題に対して、3Dプリンティングやバイオ・ファブリケーションといった手法から取り組む3人のクリエイターを紹介。
054
デザイナー・藤原 大インタビュー― 素材のかたちを素早く変え、循環させる社会へ
人類が生活を営むのに欠かせない衣服。その発展史はテクノロジーの進歩とともにある。一例を挙げれば、産業革命期の自動織機の発明はテキスタイル生産を飛躍的に増大させた。だが、資源枯渇や環境汚染などの問題に直面し、近代化したライフスタイルそのものが問われている。より快適で、自由な表現を手にしつつ、持続可能なファッションは実現できるのか。サイエンスとものづくりをデザインでつなぐ活動を続ける藤原 大のアトリエを訪ねて、近年の取り組みにヒントを探った。
007
高宮慎一 ベンチャーキャピタル流デザイン講
061
LEADERS
スプツニ子!(アーティスト)
072
Sci Tech File
遺伝子組み換えカイコは日本の未来を救う生物工場
078
INSIGHT
球体が引き寄せるインタラクティブでプレイフルな空間―COS×スナーキテクチャー「 ループ」
084
INSIGHT
どこからともなく、立ち現れる光を求めて― 照明家・豊久将三
090
INSIGHT
究極のスタンダードを目指して―ジンズ デザインプロジェクト
096
INSIGHT
より良い世界のために未来の風景をつくる―ダーン・ローズガールデ
102
INSIGHT
インハウスデザイナーが考える「あるべき未来」―フューチャー・ライフ・ファクトリー
107
クリエイターズナビ
ショルテン&バーイングス、松重健太、ロクサンヌ・フリック、デーヴ・ハッケンズ、メレディス・ウールノウ、
松山祥樹、安藤北斗・林 登志也/ we+
112
田川欣哉のBTCトークジャム
ゲスト:伊藤直樹(PARTY CCO)
118
& DESIGN
菅野 薫(テクノロジー)、太田睦子(アート)、君島佐和子(フード)、土田貴宏(インテリア)
122
書評― 創造へのつながり
新山直広、佐藤亜沙美、三中信宏
125
寺尾 玄 Pop Gap Creative
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