特集
工芸未来。
私たちが「工芸」と呼ぶものの多くは、長い歴史のもとで脈々と伝承されてきた手づくりの技が形や表現に昇華したものが大半です。伝統と革新が響き合うことで進化を遂げたきたそんな工芸が今、新たなテクノロジーや多様なアイデアを取り込みながら、未来に向けてさらなる前進を始めています。人の手が生み出す高度な質や美しさと、現代のテクノロジーや知恵が織りなす工芸の新領域。デザインやアートの表現手段としても存在感を増しつつある、未来を見据えた工芸のあり方を考えます。
Vol.193 | 2018年05月01日 発売 |
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定価: | 1,800円 |
表紙: | 表紙写真 北原一宏 |
020
工芸未来宣言
今、工芸が世界的に注目を集めている。しかし、美術工芸から生活工芸、産業工芸までと、ひとくちに工芸と言っても、人それぞれ連想するイメージは異なるだろう。そもそも工芸に明確な定義はあるのか? 今、なぜ、工芸が再評価されているのか? 秋元雄史(東京藝術大学大学美術館館長・教授)、吉泉 聡(TAKT PROJECT代表)、永田宙郷(EXS代表)、杉本雅明(エレファンテック取締役副社長)へのインタビューから、未来の工芸の姿を探っていく。
026
工芸の技を動画解析・分析で継承― 富山・高岡「工芸ハッカソン」発の挑戦工芸がまとう家電の「機能」
伝統工芸を支える職人の高齢化と後継者不足は、すでに日本の各産地で深刻な問題となっている。経験値や技能を伝達する最新のテクノロジーを用いて、技術の保存のみならず、新たな担い手の呼び水にする仕組みづくりが始まった。
030
工芸がまとう家電の「機能」
1841年から岐阜県高山市に続く渋草柳造窯。陶芸産地でもなければ、いくつもの窯が軒を連ねるわけでもないこの場所から、新たな陶芸の役割を模索する動きが始まっている。
034
工芸は深化する。工芸がまとう家電の「機能」
未来の工芸のヒントや可能性はどこにあるのか。今、これからの工芸を語ってもらいたい16名が選出した、未来を示唆する作品やプロジェクトを紹介する。
アネムーン・ゲルツ、アリック・チェン、ダヴィッド・グレットリ、スタジオ・フォルマファンタズマ、喜多俊之、リナ・カナファーニ、モーガンヌ・クトレ、舘鼻則孝、大治将典、三谷龍二、小林 茂、辰野しずか、山中俊治、桐山登士樹、山田 遊、吉田守孝
038
インドの手工芸を未来へと届ける―イノダ・スバイエとファントム・ハンズの挑戦
工芸の世界にさまざまなイノベーションが起きている現在、あえて100%手仕事の家具を生み出すことはノスタルジックだろうか。インドのシリコンバレーと呼ばれる都市、バンガロールでスタートアップした家具工房のオーナー、ミラノを拠点とするデザイナー、そしてインドの職人たちが協働し、ものづくりの原点である「手」へと回帰する試みから、手工芸の可能性を探った。
042
ラピッド・クラフトが生み出す深遠なオブジェ― MITメディアラボ ネリ・オックスマン
MITのネリ・オックスマンは、生物学とテクノロジーの融合から新たなイノベーションを起こす建築家でありデザイナー。その作品群は、美術品であると同時にしばしば工芸品にたとえられる。今年2月、南アフリカで開かれたデザインインダバで、彼女が3Dプリンターを駆使した死生観に言及するデスマスクを取り上げると、会場は歓喜と感涙のスタンディングオベーションに包まれた。これはラピッド・クラフトの最新作と言えるものだ。
046
クラフトとエレクトロニクスが築く、次の100年に向けた新たな豊かさ
マスプロダクトが大きな転換期に差し掛かっている今日において、数世紀にわたり継承される伝統工芸には、未知のコンセプトが眠っているかもしれない。パナソニックが進めるKyoto KADEN Lab.は、京都の工芸家集団GO ONとの協業を通して、新たに5つの作品をつくり出した。未来の家電のプロトタイプから見える工芸の新たな可能性を追った。
007
高宮慎一 ベンチャーキャピタル流デザイン講
059
LEADERS
ピエール・エルメ(パティシエ、ショコラティエ)
068
Sci Tech File
負けても逃げても子孫は残す、個性豊かなムシたちの生態
074
INSIGHT
ビジョンドリブンで象るサイボーグプロトタイプ「MELTANT-α」
081
INSIGHT
日本のグラフィック―これまでの100年、これからの100年
086
INSIGHT
英国のセットデザイナー、エス・デヴリンの描く世界
092
Feature2
データビジュアライゼーション2.0
093
Feature2
「2.0」という新たな地平
096
Feature2
ジェフリー・ヘアー(ワシントン大学インタラクティブ・データ・ラボ創設者)インタビュー
098
Feature2
注目のデザイン組織(ザ・プディング、ステーメン・デザイン、データ・フォー・チェンジ)
106
田川欣哉のBTCトークジャム
ゲスト: 鈴木 健(スマートニュース代表取締役会長・共同CEO)
113
Key Books Reviewリエイターズナビ
クリス・マーティン、西尾健史、山端家昌、伊波英里、ユーモラボ、スタジオドリフト、シモン・ドガ
118
& DESIGN
太田睦子(アート)、君島佐和子(フード)、土田貴宏(インテリア)、菅野 薫(テクノロジー)
122
書評― 創造へのつながり
成瀬勇輝、久木田水生、森 俊介
125
寺尾 玄 Pop Gap Creative
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