特集
鉄道みらい
全国に網の目のように張り巡らされた鉄道網を持つ日本は、世界有数の鉄道大国です。移動について多くを鉄道に頼る日本ほど、生活と鉄道が密接に関わりあっている国はありません。人やモノの移動が頻繁に行われるなか、その移送手段として、今もこれからも社会や生活と緊密な関係にある鉄道。移動や旅への関心を促すと同時に、多彩な車両デザインや「乗る」以外の楽しみも味わえるその先に、どんな可能性が広がっているのでしょう。見て、知って、体験して楽しい、日本の鉄道にまつわるデザインに注目します。
Vol.198 | 2019年03月01日 発売 |
---|---|
定価: | 1,800円 |
016
数字で見る、やっぱりすごい日本の鉄道
正確な鉄道ダイヤや時速210kmで走るユニークな美術館列車など、日本の鉄道のニュースが世界で報じられることは少なくありません。そんな日本の鉄道は世界においてどのくらいすごいのか? いくつかの数字に基づき、その実態を調べてみました。
018
西武鉄道「Laview」が示唆する車両デザインの可能性
2019年3月16日より運行開始となる西武鉄道の新型特急車両001系「Laview(ラビュー)」。丸い先頭形状とリビングを思わせる大きな窓は、従来の車両開発の文脈では出てこなかったもので、まさに「今まで見たことがない」と話題になっている。鉄道の概念を覆す新型特急は、どのようにして生まれたのだろうか。新たな方向へと舵を切った西武鉄道、デザインと監修を担った妹島和世とそのチーム、数々の難題をクリアした製造の日立製作所、それぞれに話を伺った。まさに三者異なる領域からデザインの力を引き出したプロジェクトだ。
026
水戸岡鋭治が語る、鉄道デザインへの想い
1988年の「アクアエクスプレス」以来、約30年余。JR九州を筆頭に数々の名車両を手がけてきたデザイナーの水戸岡鋭治。車両空間を公共の舞台装置と捉え、旅における感動体験の創出に邁進してきた氏に、鉄道デザインの魅力とそれに臨む想いを聞いた。
028
川西康之(イチバンセン)
未来の輪郭をスケッチし、旅の時間をデザインする
鉄道デザインとは未来を描くことであり、それを実現することで人々の暮らしは豊かになっていく。そのためには何でも屋でなければならない。こう語るのはイチバンセン一級建築士事務所の川西康之だ。海外の国有鉄道や国内の第三セクター方式での展開など多彩な経験から得られたものは何か。
031
テクノロジーで、鉄道はどこに向かうのか?
AI、ロボティクス、ビッグデタ、IoT……。こうした先端技術を取り込み、鉄道はどう進化するのか? 新世代家庭用ロボット「LOVOT(ラボット)」の開発を手がけるGROOVE X創業者の林 要CEOと東京大学大学院情報学環の越塚 登教授に、独自の視点から「鉄道の未来」について語ってもらった。
034
岡部憲明 アーキテクチャーネットワーク
見る、見られる、走るオブジェ
2018年に登場したロマンスカー70000形GSEは、2000年代以降のロマンスカーを継続して手がける岡部憲明アーキテクチャーネットワークがデザインした。それは、05年の50000形VSEの延長線上に、時代性を汲んだ快適で美しい車両のあり方を考えるという、彼らの新しい挑戦だった。
036
デザインで魅せる日本のローカル鉄道
江ノ島電鉄、養老鉄道、岡山電気軌道
地域の人の足として長年にわたり親しまれてきたローカル鉄道。ここでは、デザインを糧に、新たな魅力の掘り起こしやブランディングなどを試みる3路線の取り組みを紹介。
042
KEN OKUYAMA DESIGN
これからの鉄道に求められるトータルエクスペリエンス
新幹線から観光列車まで20を超える鉄道のデザインに携わってきた奥山清行。自動車や農機などさまざまな乗り物を手がけているなかで、鉄道の面白さは「ユーザーのトータルエクスペリエンスをデザインできるところにある」と語る。
044
おいしい! おみごと!
アートディレクター河北秀也が選んだ三大駅弁
手に載せるとほんのり暖かく、重くも軽くもないほどよい存在感。掛け紙の外までほのかに漂う、食欲をそそる匂い。そして紐をほどき、蓋を開けると人間の五感を刺激する小宇宙が展開しています。そんな宇宙を旅してみましょう。おいしさと旅情を詰めこんだ駅弁を、箸を入れる前に実物大で撮影してみました。選者は食べること・飲むことをこよなく愛し、鉄道と旅が好きで東京地下鉄路線図のデザインでも知られる、アートディレクターでエッセイストの河北秀也さん。パッケージ、レイアウトのデザインに優れ、そして何度でも食べたくなる、とにかくおいしい駅弁を全国から3点選んでもらいました。
050
鈴木啓太(PRODUCT DESIGN CENTER)
“ 日用品の哲学” で通勤電車を再構築する
柳田國男は日本人の世界観は“ハレとケ”の感覚に根ざしていると指摘した。この枠組みにならえば、観光列車はハレ、通勤電車はケということになる。ファッションから日用品まで、すなわちハレとケのデザインを自在に往還するプロダクトデザイナーの鈴木啓太は、新しい感性を持って、通勤電車をアップデートした。
053
座談会
Youはニッポンの鉄道、どう思う?
前号の座談会「Youはどうしてニッポンのメーカーに?」に引き続き、日本で働く外国人インハウスデザイナーの皆さんに集まっていただき、独自の発展を遂げてきた日本の鉄道とそれを取り巻く環境について、忌憚のない意見や感想を語ってもらった。そこで浮かび上がってきたのは、日本人には見えていても意識したことのない、日本の鉄道の魅力や改善点である。
060
GKデザイングループ
車両にビルトインされた“ 道具” の思想
1952年に設立されたGKデザイングループは日本の鉄道デザインを牽引してきた存在である。GKインダストリアルデザイン代表取締役の朝倉重徳と、同社デザインディレクターの若尾講介に、鉄道デザインに通底する方法論を訊ねた。
062
港 千尋×宇田川信学
技術とシステムと人間の力でつくるプラットフォームの未来
ニューヨークを拠点に活躍するインダストリアルデザイナーの宇田川信学と、東京とパリを起点に国内外のアクチュアルな状況を記録してきた写真家・批評家の港 千尋。独自の視点で社会と向きあうふたりが、鉄道という古くて新しいプラットフォームをめぐり対話を交わした。過去から現在、そして未来へと続く歴史の流れと、その連続性のなかに潜む新たな可能性を探る。
007
ベンチャーキャピタル流デザイン講
経営と現場を架橋し、UX全体をデザインする
073
LEADERS
ジャン=ポール・グード(アーティスト、イラストレーター)
078
Sci Tech File
Yが消えれば、オスはどうなる?性決定の知られざる仕組みを解明する
084
INSIGHT
手法が映画になるとき。c-projectの映画制作
090
INSIGHT
ダーウィンルームから始まる知の連環
096
INSIGHT
建築を通じて真実を追究する、フォレンジック・アーキテクチャー
102
INSIGHT
滋賀で、生の創造の力に触れる。
108
田川欣哉のBTCトークジャム
ゲスト:辻 庸介(マネーフォワード代表取締役社長CEO)
115
クリエイターズナビ
松村 光、橋本夕紀夫、岩田尚子、マイケル・ウィッテル、筧 康明
120
& DESIGN
太田睦子(アート)、君島佐和子(フード)、土田貴宏(インテリア)、菅野 薫(テクノロジー)
124
Key Books Review
ゲスト:野見山 桜(デザイン研究者)
オンラインで購入する
書店で購入する
全国有名書店でお求めになれます。店頭に在庫がない場合は、お近くの書店にてお取り寄せも可能です。
定期購読について
毎号お手元に届く、便利でお得な年間購読システムです。
定期購読について
毎号お手元に届く、便利でお得な年間購読システムです。
通常10,800円(1年間/税込)のところ9,000円
過去のデジタル版閲覧が無料
※富士山マガジンサービスが提供するデジタル版「AXIS」のバックナンバー(176号/2015年7月1日発売号以降)から最新号までを無料でご覧いただけます。
3年間で
最大29%
お得
※富士山マガジンサービスが提供するデジタル版「AXIS」のバックナンバー(176号/2015年7月1日発売号以降)から最新号までを無料でご覧いただけます。
その他、定期購読に関するお問い合わせは「富士山マガジンサービス カスタマーサポート」まで。E-mail:cs@fujisan.co.jp