クルマ2030

特集

クルマ2030

自動車業界は今、「100年に一度の大転換期」と言われている。EVや自動運転はもとより、シェアリングをはじめとしたモビリティサービスを支えるテクノロジーは、異分野や新興ブランドの参入をうながし、クルマやモビリティのあり方を大きく変えようとしている。
その背景にあるものを探ることは自動車業界にかぎらず、さまざまなデザイナーにとって、これからの社会や暮らし、人々の気持ちを考える際の大きなヒントになるのではないだろうか。
クルマのデザイナーたちが可視化する未来のクルマは、ブランドの具現化、移動という体験価値、美への追究などを行き来しながら、挑戦を続けている。本特集では国内外のメーカーやデザイナーによる提案を盛り込みながら、未来に向かうためのアプローチを探っていく。

Vol.2022019年11月01日 発売
定価:1,800円
表紙:表紙写真 筒井義昭
撮影協力 ル・ガラージュ

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018

人にとってかけがえのない存在をデザインすることとは。

ICT端末としての機能を備えたコネクテッドカーやカーシェアリングといった新たなモビリティサービスの登場などにより、今、自動車業界は目まぐるしい変化に晒されている。未来のクルマに求められる価値は? そこでデザイナーの担う役割は? 歴史的変換期の渦中でいま一度再認識するべきカーデザインの立ち位置について、未来技術研究所代表でカーデザイナーの畑山一郎に聞いた。

人にとってかけがえのない存在をデザインすることとは。

022

トヨタ、日産、ホンダ、マツダのデザイントップが語る。

未来のクルマ、これからのモビリティ

技術主導のサービス開発や、新たに課せられた環境規制。それらはクルマの個性を奪い、コモディティ化(一般化・大衆化)を招く要因になっていないだろうか。デザイナーの想いやブランドビジョンに基づいて生み出されてきたデザインは今後どう変わるのか? モータージャーナリストの大谷達也が、一堂に会した国内メーカー4社のデザイントップに聞く。

前田育男(Mazda)、岩城 慎(Honda)、アルフォンソ・アルバイサ(Nissan)、サイモン・ハンフリーズ(Toyota)

未来のクルマ、これからのモビリティ

030

伝統の継承に力を注ぐ、メルセデスベンツ、アウディ、BMW

EV時代を迎えて、クルマのデザインはどう変化するのか?メルセデスベンツ、アウディ、BMWの3社が10月のフランクフルトショーで公開したコンセプトカーを例に挙げながら、今後の行方を占ってみたい。

伝統の継承に力を注ぐ、メルセデスベンツ、アウディ、BMW

035

フォルクスワーゲン

クルマの容姿をした、“ 彼女” のような存在へ

その価値や存在意義がどう変わろうとも、今もこれからも「クルマ」はとても重要な移動のパートナーであり続けるはず。「2030〜40年」という次世代をトレースすることで見えてくる、フォルクスワーゲンが紡ぐクルマとモビリティの物語とは?

クルマの容姿をした、“ 彼女” のような存在へ

038

ピニンファリーナ

伝統とイノベーションが交錯したグラン・ツーリスモ

フェラーリやアルファロメオなど数々の名車を世に送り出してきたイタリアの名門カロッツェリア、ピニンファリーナ。今年発表されたコンセプトカー「カルマGT」には、美しさとテクノロジーの融合やユーザーエクスペリエンスなど、同社が見据えるカーデザインの未来が示されている。

伝統とイノベーションが交錯したグラン・ツーリスモ

041

ボルボ

都市のかたちまでを見据えたモビリティデザイン

2018年に発表されたドライバーレスのEVコンセプトカー「360c」。移動における速さや効率を追い求める競争から抜け出した先に、ボルボはどんな価値や体験をクルマに持ち込もうとしているのか。

都市のかたちまでを見据えたモビリティデザイン

044

人間と都市をつなぐインターフェース EVシティコミューター「Honda e」

2019年9月、ホンダはフランクフルトモーターショーで「Honda e」量産モデルを発表した。街中での移動を念頭においた次世代型シティコミューターである。特徴は、なめらかな曲面でかたちづくられたエクステリアと、リビングルームを思わせる落ち着きのあるインテリア。本田技術研究所オートモービルセンター デザイン室のメンバーに狙いを聞いた。

人間と都市をつなぐインターフェース EVシティコミューター「Honda e」

048

次世代カーデザインを支えるサプライヤーの技術

かつては下請け的な位置付けだった自動車部品のサプライヤーも、今や積極的な要素技術の開発によって次世代カーデザインの一翼を担う存在となっている。ここでは、その先端的事例のいくつかを紹介する。

次世代カーデザインを支えるサプライヤーの技術

050

私、私たちが考えるクルマ2030
上海蔚来汽車、スズキ、タクミヤマモト、三菱自動車、日産

 

私、私たちが考えるクルマ2030<br/>上海蔚来汽車、スズキ、タクミヤマモト、三菱自動車、日産

060

フィンランドで動きはじめた自動運転シャトルバス「GACHA」

ハイテクのメトロポリスと言われるフィンランドの首都ヘルシンキは、小さな都心にさまざまな交通機関を目にすることができる、活きたジオラマのような場所でもある。ここにもうひとつ、新たなモビリティが加わろうとしている。ロボティクスの会社センシブル4が開発し、日本の無印良品がデザインした自動運転のシャトルバス「GACHA(ガチャ)」である。

フィンランドで動きはじめた自動運転シャトルバス「GACHA」

066

アートセンター・カレッジ・オブ・デザインに探る、カーデザイナー教育の現在

ロサンゼルス郊外にある世界有数のデザイン学校、アートセンター・カレッジ・オブ・デザインは、優れた自動車デザイナーらを輩出してきたことで知られている。自動車がモビリティやトランスポーテーションという文脈のなかで語られるようになった現在、アートセンターではどんな教育を行っているのか。同校大学院のトランスポーテーション・システムズ&デザインのエグゼクティブディレクター、ジェフ・ワードルに聞いた。

アートセンター・カレッジ・オブ・デザインに探る、カーデザイナー教育の現在

006

Close-Up

オドゥンパザル近代美術館

077

LEADERS

フィリップ・トーネット(トーネット社創業家5代目)

082

Sci Tech File

生命の隠れた秩序を探る 細胞建築学とは何なのか?

088

INSIGHT

ビャルケ・インゲルスとBIG 未知なる未来にフォルムを与える建築

096

INSIGHT

作為と無作為のあいだで石の生命力に向き合う 大蔵山スタジオと陶芸家、近藤高弘

102

INSIGHT

1万個のビーズが支える新たな走行感 ナイキ「Joyride(ジョイライド)」

108

INSIGHT

賑やかなダウンタウンに現れた静かな断崖 スノヘッタを迎えたイソップ初の旗艦店

114

田川欣哉のBTCトークジャム

ゲスト:石原恒和(ポケモン代表取締役社長)

121

クリエイターズナビ

大西宣彰、三井 嶺、奥宮誠次、ユ・ロザリー、丹羽優太

127

& DESIGN

土田貴宏(インテリア)、君島佐和子(フード)、大根田 杏(ファッション)、長谷川敦士(ビジネス)

132

Key Books Review

ゲスト:佐藤研吾(建築家)

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