特集
起業×デザイン
まだ誰も足を踏み入れていない領域にひとり飛び込み、新しい事業を創造して、これまでにない価値やサービスを提供する。もしくは、従来デザインが重要視されていなかった領域や、すでに確立された業界に新風を巻き起こすような起業もあるかもしません。社会課題に取り組むスタートアップも増えています。
本特集では、事業の核にデザインを据えて主に2010年以降に起業したり、ブランドを立ち上げた、国内外のアントレプレナーの姿やインキュベーターなどの動向を追います。彼ら彼女らの考えは、起業を目指す人だけでなく、今を読み解くうえでも多くの示唆を与えてくれるのではないでしょうか。
Vol.209 | 2020年12月28日 発売 |
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定価: | 1,800円 |
表紙: | 表紙写真:ホンマタカシ |
018
今、起業を加速させる理由とは
2020年春、GAFAとマイクロソフト5社の時価総額が、東証一部約2,170社の合計額を10兆円上回り、560兆円を記録した。16年末までは2倍以上あった東証一部の時価総額が、数年で追い抜かれてしまった。こうした状況を踏まえ、日本の成長産業を支援するフォースタートアップスの恒田有希子が起業の最前線と今後を語る。
022
完全アウェー、マイナスから始まった上海発の家具ブランド「ステラワークス」
保守的な一面があり、イノベーションが起きにくい傾向のある家具産業。ブランド力が重視される価格帯であればなおさら、アジアで起業して新しい芽を成長させるハードルは高い。そんななか、ステラワークスの創業者である堀 雄一朗は、失敗や困難に怯むことなく、アジアからのリーディングブランドを視野に入れている。
026
デザイナーが起業するということ、WHILL
デザイナーで起業家というのは稀有な存在だ。日本でその人を探すと、必ず挙がる名前がある。電動車椅子を次世代パーソナルモビリティに昇華させ海外でも評価が高いWHILLの杉江 理だ。彼は、なぜ起業の道を選んだのか。デザイナーの起業にはどんな課題と展望があるのか。
030
フェルマータが描く、フェムテックを通じたタブーのない世界
起業の種は、潜在的な社会課題のなかに見出されるが、顕在化しながらもタブー視されてきた領域のなかにもある。フェムテックがそれである。その市場創出やプラットフォームを手がけるフェルマータが見据える世界とは。
032
アフリカの多様な視点を伝える「イリン・ジャーナル」
2019年、これからのアフリカのクリエイティブ業界の繁栄を予感させる、画期的なトラベル&カルチャー・マガジンが誕生した。ナイジェリアのラゴスを拠点に展開する「イリン・ジャーナル」だ。イリン(ìrìn)は歩くという意味のヨルバ語で、旅を意味するìrìn-ajoの接頭語でもある。なぜ、どのように、この雑誌は誕生したのだろう?
036
「 空飛ぶクルマ」で未来の移動をデザインするスカイドライブ
まだ誰も取り組んでいない新領域にチャレンジできるのは起業の大きな魅力のひとつだ。「空飛ぶクルマ」を開発するスカイドライブ。起業家とデザイナーのコラボレーションはどのように進んだのか。
038
漁業をサスティナブルに、セーフティ・ネット・テクノロジーズ
2011年にふたりのデザイン学生によって設立された英国のセーフティ・ネット・テクノロジーズは、水産資源を守るというエシカルかつサスティナブルなアイデアで数々の賞を獲得して注目を集めた。しかし、その後の製品開発は難航。設立から9年後の20年、ようやく第1弾を発表した。
042
若い世代のクリエイションが、街の銭湯を蘇らせるニコニコ温泉
ニコニコ温泉は、廃業する温泉・銭湯と賃貸契約を結び、その再生と収益化を行っている会社だ。2015年に真神友太郎が起業し、現在経営しているのは神戸の湊山温泉、東京都昭島市の富士見湯、品川区西小山の東京浴場の3軒。その西小山・東京浴場に真神を訪ねた。
046
イノベーション・ドリブン・アントレプレナーの誕生 ― イノベーションRCA
イノベーションRCAは、2004年の創設以来、英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アートの在校生と卒業生のビジネスをサポートし、インキュベーションに関わるサービスを提供する。15年8月号の小誌取材時に24だった起業数は、現在71に増えている。再び、同組織のディレクター、ナディア・ダナッシュを訪ねた。
052
デザインリサーチの方法論でビジネスモデルを構築 ― パーソンズ・スクール・オブ・デザインELab
ニューヨークのデザイン学校パーソンズ・スクール・オブ・デザインは、起業したい学生をサポートするための組織として、7年前にELab(イーラボ)をスタートさせた。インキュベーターやアクセラレーターが各大学に設けられるなか、デザイン学校としての強みは何か。ディレクターや起業家たちに聞いた。
056
世界のサスティナブルなスタートアップを支援 ― インデックス・プロジェクト
スタートアップの支援策にはさまざまなものがある。デンマークのインデックス・プロジェクトは、「人々の生活を改善するためのデザイン」をスローガンに掲げる非営利団体。2年に1度開催する「インデックス・アワード」を通じて、1部門ごとに賞金10万ユーロ(約1,260万円)を授与し、サスティナブルなアイデアの実現を後押しする。
060
ベンチャーキャピタルに聞く
「デザイナーは起業すべきか?」
デザイナーのスキルは、起業においてどんな役割を担うだろうか。日頃からベンチャー企業と対峙し、投資やサポートを担うベンチャーキャピタル3社に、ベンチャーとデザインの関係性や、今、起業家に求められる能力について聞いた。
064
「 起業はおもしろいと思います。でも、オススメはしません」—exiii design
2014年、筋電義手を手がけるexiii(イクシー)をふたりのエンジニアと起業したプロダクトデザイナーの小西哲哉。その後、18年にexiii designとして独立。現在、同社代表やスタートアップ数社の役員、顧問を務める小西が、自身の経験を交えてデザイナーの起業について語った。
068
「 D&DEPARTMENT」を起こしたナガオカケンメイが見るこれから
デザイナーが起業することの先駆者ともいえるナガオカケンメイ。彼が生み出したロングライフデザインをコンセプトとしたショップ「D&DEPARTMENT」は、2020年に20年目を迎えた。ウェブが世界をどんどん広げていった結果、「閉じれば閉じる」ほどワクワクする時代が来たと語り始めた。自分が何を継ぎ、誰にそれを受け渡すかを考えるという今、彼の目に映っているものは何か?
006
Close-Up
霧の街のクロノトープ
075
LEADERS
金井一人、金井志人(染色家)
080
Sci Tech File
はじめにデザインあり、生命の成り立ちにつくって迫る
086
Feature 2
現代のデザインは、なぜ美しくなくなったのか?
087
Feature 2
美しさの基準はどこに
090
Feature 2
理に適っていれば、そこに美しさが宿る。 山口 周
092
Feature 2
美しさより、新しさを! 田井 悟
094
Feature 2
美を生むためにはテロワールが必要。 緒方慎一郎
096
INSIGHT
SYパートナーズ 手引きのない時代に必要なのは、「なぜ(Why)」を問うこと
102
INSIGHT
可視化されていく「見えないもの」と未来
109
クリエイターズナビ
堂園翔矢、アンドレ・アマドール、森澤有人、神谷修平、菅野 猛
114
田川欣哉のBTCトークジャム
ゲスト:村井 満(Jリーグ チェアマン)
120
& DESIGN
アート(太田睦子)、ビジネス(長谷川敦士)、ファッション(大根田 杏)、フード(君島佐和子)、 インテリア(土田貴宏)
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