増刊号
シチズン 時のデザイン
2018年に創業100周年を迎えたシチズン。同社は、世界初のアナログ式太陽電池時計「エコ・ドライブ」をはじめ、いくつものエポックメイキングな製品を送り出してきました。さらに2021年には、機械式時計「The CITIZEN」メカニカルモデルを発売するなど、多様な挑戦を続けています。次の100年に向けて、新しい技術にかたちを与え、命を吹き込むために、デザインはいかに貢献していくのか。シチズンデザインのこれからを語る一冊です。
増刊号 | 2022年03月31日 発売 |
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定価: | 1,000円 |
002
「 」をつくる
腕時計には、時を知らせる機能以外にも、さまざまな魅力がある。身に着けることで自分の気持ちを引き締める、誰かの想いに寄り添う、自らの個性を表す……。シチズンはデザインによって、人と腕時計の関わりを感じさせる新たな価値を創り出してきた。感情をデザインする。
それはシチズンが大切にしてきたデザイン思想のひとつ。
009
源流を探り、未来に生かす
シチズンデザインソースプロジェクト
創業100周年を機に、シチズンのデザイナーが自ら「シチズンデザインらしさ」を探求するため、過去のモデルに学び、そこから得た気づきを集約して「デザインソース」として言語化を行った。社外アドバイザーによる客観的分析を経ながら、約5年にわたって進められたプロジェクトを紹介する。
015
シチズンらしさをめぐる12の時計
シチズンデザインソースプロジェクトから導き出された、「これがシチズン」という、12のカテゴリーとその代表モデルたち。
028
シチズンが本気で取り組む機械式時計
ザ・シチズン Caliber 0200
2021年夏、シチズンは自社製の機械式ムーブメントを搭載したThe CITIZENメカニカルモデルを発売した。時計業界では、シチズンが11年ぶりに新型機械式時計を発表したことが話題を呼び、高級腕時計専門誌もそのクオリティを高く評価。現在も入手困難な状況が続いている。熱狂的に迎えられた背景には、シチズンがその技術力を駆使して機械式時計を手がけることへの期待感があった。
034
商品開発にバイオミミクリーを採用
新たな価値観を宿したサステナブルウオッチ 「シチズン エル」
「シチズン エル」は2012年からグローバルに展開されている女性向け時計ブランドだ。光発電技術「エコ・ドライブ」とともに、地球環境や人に配慮した素材を採用。デザイン面では、地球の美しさや自然の神秘にインスピレーションを求めてきた。そして、2022年3月に発表されたシグネチャーライン「アンビリュナ」では、デザイン開発にバイオミミクリー(生物模倣)を採用。生物の仕組みや構造を参考にした工業製品は多いが、腕時計では未だ類を見ないという。
039
時の製造
シチズン時計の製造子会社であるシチズン時計マニュファクチャリングでは、腕時計の部品から完成時計の組立・調整までの一貫製造を担う。国内では、北は夕張工場から南の鹿児島工場まで17事業所を展開。ここでは、高価格帯時計の組立と出荷検査を担う飯田殿岡工場、工機や金型治工具製造を統括する埼玉田無工場そして自動組立によるムーブメントの大規模生産を担うミヨタ佐久工場を紹介する。
046
挑戦するデザイン
時とは何か、時計とは何かを常に問い、その時代のテクノロジーを取り込みながら、腕時計の新しい可能性を切り拓いてきたシチズン。技術と美を重ね合わせたときにはじめて“ 機械” に命が宿るという考えのもと、シチズンが行ってきた時計づくりへの挑戦。
056
シチズン時計 代表取締役社長 佐藤敏彦
100年の歴史と、100年先の未来を見すえて
次の100年に向けて、シチズンという企業、そして時計づくりはどうあるべきか。そこにデザインはいかに寄与できるのか。同社代表取締役社長 佐藤敏彦に聞いた。
061
シチズン時計 取締役 大治良高
時計の可能性をさらに追求していく
100年におよぶシチズンの歴史をつくり上げてきた銘品たちが並ぶシチズンミュージアム。同社取締役の大治良高に、ミュージアムについて、そしてこれからの時計づくりについて聞いた。
065
デザインの領域を広げることで、ブランドをつくり上げていく
時計の見本市の展示デザインに新製品のプロモーション、インナーブランディングの取り組みなど、製品デザイン以外にも、シチズンデザイナーの活動する領域が広がってきている。そこに込められた意図とは?
069
社員の声からはじまったシチズンの“ おうち時間”「おやこスマイルプロジェクト」
コロナ禍により、初めて緊急事態宣言が出された2020年3月。多くの企業がリモートワークを導入したことで、突然働き方が変わり、戸惑う人も少なくなかった。子どもたちの生活も変わり、保育園や幼稚園に通う幼児は自宅待機となり、外へも出られず、退屈を持て余した。1日中つきっきりで世話をする保護者にとっても悩ましい日々。そうしたなかシチズンの有志によるプロジェクトが動き出した。
073
シチズン時計 デザイン部 部長 斎藤修司
新しい技術にカタチを与え、命を吹き込む
環境や社会、多様性に配慮しつつ人々の感性に訴えるデザイン……、未来に向けてデザインが担う役割は大きい。デザイン部長 斎藤修司にこれからの時計デザイン、そしてシチズンデザインの方向性について聞いた。
078
光を時に変えるエコ・ドライブの可能性
光を動力源にして時を刻むエコ・ドライブの新しい可能性を追い求めたデザイナー発信のプロジェクト。これまでにない外装とムーブメントの技術を取り入れて、腕時計の未来を具現化した。2009年から計8つのコンセプトモデルを発表し、うち4モデルを製品化。Eco-Drive EYES(22ページ)とEco-Drive SATELLITE WAVE(51ページ)もこのプロジェクトから生まれた製品である。
085
時間とは何か
建築家・田根 剛とシチズンデザインが 問い続けた7年
2013年から2019年にかけて、時計の見本市バーゼルワールドやミラノデザインウィークといった世界の大舞台で展示を行ってきたシチズン。インスタレーションのデザインを手掛けたのは建築家の田根 剛だ。シチズンとともに「時間とは何か」を探求してきた田根に、7年の歩みとシチズンデザインについて聞いた。
090
パイロットコーポレーション&シチズン
心のデザインで生き残る-筆記具と腕時計の未来
どちらも1918年創業という、“100年企業” のパイロットコーポレーションとシチズン。筆記具と時計、フィールドは異なるものの、両社の製品が置かれた環境にはいくつもの共通点が見出せる。現在の課題や、これからのものづくりにおいてデザインに何ができるのか。両社のデザイナーが語り合った。
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